「今まで優しかった人々が、殺気立って、とにかくイライラをぶつけてくる。『次の入荷はいつ?』『いつもないじゃない』『1個くらい取っておいてよ』と電話でも、対面でも何度も何度も聞かれ、その度に『すみません』『申し訳ありません』と頭を下げている。人が鬼に見える。正直ノイローゼ気味だ」――
今から3カ月前、新型コロナ感染拡大が本格化する中、ドラッグストア勤務歴12年のベテラン店員さんのツイートが、多くの人たちから共感を集めました。
「カスハラ=カスタマーハラスメント」。いわゆる「お客さまは神様だ!」信仰で引き起こされる、理不尽かつしょーもない“普通の人”たちによる言葉の暴力です。
緊急時ほど人間の心の闇は表面化するものですが、その後も、保健師さんたちに「電話ぐらい出ろ! つながらないうちに死んだらどうするんだ!」「PCR検査を受けさせろ!」などの不満や誹謗中傷が相次いだり、宅配便のドライバーさんにも「近くによるな!」「話しかけるな!」などの暴言を吐いたりするなど、“カスハラ”は問題になり続けました。
そのカスハラから、やっと、本当にやっと……少しだけ解放されるかもしれません。
ご承知の通り、6月から「職場でのパワーハラスメント防止」が大企業に義務付けられたのに合わせ、国家公務員及び地方公務員のパワハラ対策も本格化。その中に「カスハラ対策」も入るというのです。
報道によれば、最近は公務員の職場でも「カスハラ」が問題になっており、その対応方法が初めて示されることになったとのこと。公務員へのカスハラは、ハローワークの窓口相談で、利用者の思い通りにならなかったり、待ち時間が長かったりすることで、「威圧的に理不尽なことを言われる」「暴力を振るわれる」「土下座を要求される」といった被害報告が後を絶たないそうです(日本国家公務員労働組合連合会の調査)。
そこで今後は、利用者から度を越す要求や行いがあったり、理不尽な対応を迫られたりした場合、職員は即座に上司に相談し、上司が同席するなど組織として対応することが求められます。
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