しかしながら、日本では感情労働が「おもてなし」に都合よくすり替えられてしまっているのです。本来であれば、従業員のサービスや感情コントロールの訓練と教育を行ったり、感情労働分の賃金を上乗せしたりするなど、お客さまを満足させるための投資が欠かせないのに、「おもてなし」という言葉を使うことで、感情が切り売りされ、「決してタダじゃないサービス」が、タダにされてしまっています。
2012年にスカイマークが、「スカイマーク・サービスコンセプト」という冊子を座席のシートポケットに入れ、顧客からのクレームで回収するという事態に至ったときもそうでした。
冊子には、
などと書かれ、大バッシングが起き、メディアもスカイマークをたたきまくりました。
でも、これでいいのです! 当時、私はコラムでも取り上げ、「オ〜、よくぞここまで言い切った!」と褒めたたえていましたが、このサービスコンセプトこそが搭乗料金の値下げにつながっているというロジックが成立するわけですから、全く問題ないのです。
賃金は減り、リストラが加速…… ミドル社員を脅かす「同一労働同一賃金」の新時代
「上司の顔色伺い」は激減? テレワークでは通用しない“働かないおじさん”
「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”
誰も頼れず孤独死も…… 新型コロナがあぶり出す、家族と社会の“ひずみ”
新型コロナで増える「パワハラ」 “悲劇の温床”を放置する経営トップの責任Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング