このすさまじいギャップは、それぞれの国の消費動向をみても一目瞭然だ。例えば、中国では外出自粛でガマンを強いられた「リベンジ消費」で国内旅行が大盛況、観光地は黒山の人だかりとなっている。米国でも5月25日の戦没将兵追悼記念日には全米各地で多くの人がレジャーに興じ、SNSには混雑したバーやクラブ、プールで大ハシャギする写真や動画が溢れていた、と「ニューズウィーク」が報じている。
ご存じのように、日本は米国や欧州諸国と比べると、ケタ違いに死者や感染者を少なく抑えている。にもかかわらず、ケタ違いに経済活動再開に後ろ向きだ。中国のように浮かれたムードはまったくなく、緊急事態宣言解除後も、観光地や繁華街もいまだに閑古鳥が鳴いている。
なぜこうなってしまうのか。
日本人は慎重だから。個人の楽しみより社会全体の安全を優先する国民性だから。などなど、麻生副総理がおっしゃったような「よその国とは民度のレベルが違う」という言葉が思い浮かんでいる人も多いことだろう。
ロックダウンのような強制力のある外出自粛などをしなくとも、多くの国民がマスクをつけてステイホームをする。このマジメすぎる国民性がもたらす用心深さが、よその国と比べると「悲観的」に見えてしまっているだけではないか、というわけだ。
そうだったらいいなと個人的にも思うのだが、おそらくこの現象に「民度」は関係ない。新型コロナがやってくる以前から、我々日本人は自国経済について他国と比べものにならないほどネガティブに見ていたからだ。
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