ヨーロッパではN26に対して、Revolut、Monzo、Chimeなどさまざまな競合のチャレンジャーバンクが存在する。これらに対するN26の優位性は何か?
既に5年間N26を利用しているドイツ人の知人に「N26の決定的なメリット」を問うと、
に尽きるとのことだ。
さて、銀行のプロ、別当氏の疑問(N26としての利益がどこから出ているのか?)に戻る。MUFGの記事では、「N26の収益源は、クレジットカード取引で発生するインターチェンジ料、当座預金口座における当座貸越利息、そして為替手数料。このほか、他の金融機関と提携し、投資商品、貯蓄商品、クレジット&ローン、保険などを販売し、レベニューシェア型で収益を得ている」としている。ほかにも、
などがいわれている。
――Apple PayやMastercardと連携しているようで、すぐに買い物できました。
別当氏 「企業タイアップはN26の特徴の1つのようですね。また3種類のカードがありましたが、そのサービスごとにかかる費用と利益をサブスクリプションオプションとして受け取っていますね」
N26は旅行保険、ホテル、決済サービス(ドイツのワイヤーカード社)、レンタルオフィススペース(WeWork)などさまざまな企業とタイアップしており、会員に特典を提供している。それに加えて、同じくベルリン発の書籍要約購読サービスBlinkist、フィットネスアプリ8fit、エコロジーなエネルギーマーケットLitionなどのサブスクリプション料金割引サービスを提供している。
――この割引クーポンで、N26には広告料収益もあるでしょうね。どうも感覚的にですが、N26のシステムにはインターネットベンチャー企業特有の匂いがします。
別当氏 「ITシステムは人をカジュアルにしますね。ルールさえ守れば、こうした広告事業を銀行がやってはいけないということはないですから。企業間のタイアップもウィンウィンで、最初は小さめの金額で粉をかけておいて、うまく発展すれば増額、最終的には買収するという手もある。日本の銀行も見習いたいものです」
かつては“お硬い仕事”の代表格であった銀行も変わりつつある。N26、社名の数字26はルービックキューブのパーツ数に由来するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング