さて、N26口座開設後の実直レポートに戻る。まず、筆者は別のドイツの銀行の口座から30ユーロを送金してみたが、口座開設直後(カードはまだ届いていない)に送金できた。
それだけではない。現物としてのカードがまだ届いていないのに、もうカードは利用可能なのである。
「もうカードを使えます」との画面。200ユーロまでの買い物は口座開設後すぐにできるとのこと。
口座作成直後、現物のカードも手にしていないのに200ユーロの買い物ができる。N26はオンラインでのチャットサポートを提供しているため、質問してみた。
――なぜ、すぐに200ユーロを使えるのか分かりません。N26のカードは、銀行発行のカードなので、デビットカードと思いましたが、もしかしてクレジットカードなのでしょうか? クレジットカードならば与信しているので、使えるのも分かるのですが、デビットカードならなぜ使えるのか、ちょっと分かりません。
N26サポート担当者 「基本、N26のカードはMastercardのデビットカードです。貯蓄が無ければ、支払いはできません。Apple Payでの一日200ユーロ利用額制限は、カードの現物がお客さまの手元に届くまでのサービスです。カードが届いたら通常の利用額制限が適用されます」
カード現物が届くまでの200ユーロ利用は、Apple Payとの提携によるサービスのようだ。「Apple Pay/Apple WalletにN26カードを登録できます」と誘導されるので、お試しで登録してみる。
ドイツの従来の銀行では振込手続きから、振込先に実際に入金されるまでおよそ一日かかる。翌朝、スマホを見ると、「30ユーロの振込がありました」とのメッセージが届いていた。早速、駅でApple Payを使い切符を買った。現物のカードも届いていないというのに。
N26口座+Apple Payで実際に切符を買う
- ドイツはどうやって「2日」で助成金支払いを実現したのか? 開発元銀行インタビュー
コロナ危機に対して、ドイツ・ベルリンでは、助成金支給のシステムを2日で開設し、オンラインで申し込むと即座に5000ユーロが振り込まれるという、素早い対応を取った。この仕組みの裏側はどうなっているのか? ベルリンで給付を担当したInvestitionsbank Berlin(以下IBB)へインタビューした。
- なぜ起こる? 欧州、電力マイナス価格の謎に迫る
新型コロナによる経済停滞の影響により、原油先物価格が史上初のマイナス価格となったニュースが反響を呼んでいる。しかし、欧州では既に2008年から、電力の先物取引においてマイナス価格の制度が導入されている。実際、電力の先物取引での値段がマイナスとなることは、ごく当たり前のことだといわれている。
- 公取も動いた銀行APIの今後 神田潤一氏に聞く
いったんの節目を迎えた銀行オープンAPI。しかし4月に公正取引委員会は「取引上の地位が優越する銀行が、契約の見直しを行い、電子決済等代行事業者に正常な商慣行に照らして不当に不利益を与える場合には、独占禁止法上問題となるおそれ」というレポートを発表した。銀行APIの今後はどうなるのか?
- 新卒の5人に1人がネット銀行利用 開設理由は?
GMOあおぞらネット銀行が3月3日に発表した調査結果によると、全国の大学4年生と社会人1年生が使っている銀行について、選んだ理由は「家族が使っていたから」がトップだった。
- 2020年に変わる3つのフィンテック関連法改正 Fintech協会理事の落合孝文氏インタビュー
2020年はフィンテック関連でどのような法改正が進むのか。送金サービスを提供する資金移動業が3種類になり、1つの登録で証券、保険の商品などを販売できる「金融サービス仲介業」が登場。そして、給与を銀行振り込み以外で支払える、ペイロールカード解禁が想定される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.