ドイツ・ベルリンで話題の一つが、新しい銀行であるチャレンジャーバンクだ。新たに銀行免許を取得してサービスを提供する銀行をチャレンジャーバンクと総称し、デジタルにフォーカスしたサービスを特徴としている。
友人から、「N26使っていますか? 家にいて口座が開設できて本当にビックリしました。普通にカードで入出金もできます。ベルリン発、ベンチャー企業でいきなり銀行、ってすごくないですか?」と言われ、遅ればせながら、話題のチャレンジャーバンクN26を試してみることにした。
N26と日本の従来の銀行との違いを浮き彫りにするため、またなぜN26のような銀行が生まれたのか、日本の大手都市銀行に約30年勤務する別当氏(仮名)にも解説してもらった。
わずか10分で口座が開設できるまでの流れを紹介しよう。まずN26のサイトを開く。
姓名、Eメールアドレス、生年月日、電話番号、住所、国籍、性、米国市民権の有無、米国での納税番号有無、ドイツでの納税者番号を入力。その後、パスワードを設定し、規約への合意を承諾すると、Eメール認証に進む。その後、メールアドレスとパスワードでログインできるようになり、ビジネス利用か個人利用を問われる。個人利用を選択し次へ進むと、カードの種類の選択画面となる。
月額会員料ゼロユーロのカード、配送方法を選ぶと、「ここから先はN26のスマホアプリで手続きしてください」と促される。スマホを見ると、アプリのダウンロードリンクが届いている。以下の手続き全て同じことがいえるのだが、押すべきリンクへの誘導などがとても親切で、ほぼ、自らの手でのタイピングが不要だった。この優秀なナビゲーションもスピード口座開設に寄与している。
スマホ本体にメッセージが送られ、ペアリングコードをメッセージからコピペ。認証が終了すると、今度は本人認証へ。証明用のドキュメントとしてパスポートを選択すると、いよいよ本人認証のための最終ステージ、ビデオチャットに進む。
パスポートを手元に置き、チャット開始。しかし、筆者の場合、ここで多少トラブル発生。「ドイツの銀行だから、当然、ドイツ語で話が通じるだろう」と構えていたのだが、面接担当者がドイツ語を話せない。英語の画面を選択するとそうなる仕様とのこと。筆者には、「ドイツ語で通じるな」と思っていていきなり英語など他の外国語しか話せないというシチュエーションに遭遇すると、英語にドイツ語が混じって、何語をしゃべっているか分からない感じになってしまう弱点(複数外国語のコンテキストスイッチ障害?)があり、なんやかんやして約25分ロスしてしまう。「ここでは英語が話せないと死ぬ」と自己暗示をかけてリトライ。
ビデオチャットでは、メガネを外したり、パスポートを示したり、パスポートをつかんで面接官から指定された2、3種類のアクション行うのだが、それらの意味については書いたとしても憶測にしかならないため、ここでは書かない。面接担当者は昨年、東京にプライベートで旅行したらしく、「日本食、特に餅とチーズの組み合わせは素晴らしい!」と力説していた。始終、和やかな面接だった。
面接が終了すると、カードのPIN(暗証番号)を設定。すると口座ができていた。言葉のトラブルでのロス時間25分を除けば、確かにうたい文句どおり、10分ほどで口座が開設できた。驚きである。
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