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» 2020年07月19日 07時00分 公開

登録いまだ210万人、課題抱えるマイナポイント 諸外国の成功例に学べ (2/3)

[石川真太郎,ITmedia]

マイナポイントに必要なマイキーID発行は、210万人にとどまる

 キャッシュレス促進が終了したことを受けて、政府はキャッシュレス・ビジョン実現のため、新たにマイナポイント事業を開始した。マイナポイント事業では、マイナンバーカードを、マイキープラットフォーム上で対象となるキャッシュレス決済サービスと結び付けることで最大5000円のポイント還元を受けられるというものだ。20年9月から21年3月までの期間で実施され、20年7月1日から事前予約をスタートさせている。

 しかしながら、7月12日時点で、マイナポイントを受け取るために必要となるマイキーIDの発行数は約210万人にとどまる。マイナポイント事業の上限である4000万人には遠く及ばず、期待していたほどのキャッシュレス促進の成果は得られない可能性が高い。

 これについては、「マイナポイント事業に関する市場認知が足りない」「申請の手続きが面倒」などの理由が挙げられる。ICT総研が行った「マイナポイント利用意向に関する調査」によると、マイナポイントを「聞いたことがある」と答えた人は53%に留まっており、内容を把握している人に限ると14%までに落ち込む。

 マイナポイントに登録するには、マイナンバーカードを発行したうえで、スマートフォンまたはPCから予約、申し込みをする必要がある。マイナンバーカードを所有していない人であれば、マイナポイントに申し込むまで1カ月以上の時間がかかってしまう。事前登録なしで利用できたキャッシュレス・ポイント還元事業と比べると、申請や手続きが面倒と消費者が思ってしまうのも理解できよう。

 また、マイナポイント事業とは別に高速道路の料金所有人ブースを廃止して、ETCカードの専用レーンのみにしてキャッシュレス促進を行うという案も出ている。表向きは新型コロナウイルス感染症対策としているが、キャッシュレス先進国に比べて思うように進まない、キャッシュレス化の波を加速させていきたい意図も感じる。

 ただし、こちらに関しても「クレジットカード(ETCカード)を発行できない人はどうすればよいのかの市場認知が足りない」「ETCパーソナルカードは申請が面倒」などの課題があり、本格的な開始までには数年の導入期間が必要なると考えられる。

 いずれの施策にしろ、今後予定されているキャッシュレス決済の促進施策では、キャッシュレス・ポイント還元事業より大きな効果を得ることは難しい。政府は、消費者の根本的な欲求を解消するような施策を打つことが必要になるだろう。

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