コロナ対策にもなるとは…… びっくりドンキーの新コンセプト店がもたらした“まさか”の効果アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/4 ページ)

» 2020年07月29日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

アフターコロナ 仕事はこう変わる:

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。

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 「結果的に『非接触性』の高いお店になりました。もともと意図していたわけではないのですが、時代にマッチしましたね」

 このように振り返るのは、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を展開するアレフ(札幌市)の広報担当者だ。

 アレフはびっくりドンキーの新コンセプト店舗「ディッシャーズ」を、6月に商業施設「ENOTOKI」(神奈川県藤沢市)と新宿住友ビル(東京都新宿区)に相次いでオープンした。もともとは女性客を獲得したり、店内の生産性を向上させるのが目的の業態だった。しかし、その運営スタイルが新型コロナの感染予防を期待できるものになったという。どういうことなのか。

「ディッシャーズ」はびっくりドンキーの新業態店

どのような店舗なのか

 ディッシャーズとはどのような店舗なのか。

 大きな特徴は、各席にタブレット端末が備え付けられており、お客が自分で好きなメニューを注文できることだ。例えば、タブレット端末で「フルカスタム」を選択すると、1枚の皿に盛り付けるハンバーグ、トッピング、ライス、ソース、サラダを自由に組み合わせることができる。それぞれの料理のカロリー、塩分、アレルゲンも表示されるので、健康を気にするお客のニーズも満たしている。

各席にタブレット端末が備え付けられている

 タブレット端末で注文すると、従業員がテーブルまで料理とQRコードが印字された伝票を持ってくる。食べ終わったお客は、伝票のQRコードを出口近くにあるセルフレジにかざして決済をする。

 記者も実際に体験してみたが、従業員と接触するのは「入店してから席を案内される」「料理を届けてもらう」ときだけだった。タブレット端末の使い方やお店の仕組みが分からないお客に対しては、従業員がサポートをするという。現在、大手外食チェーンが新型コロナ対策として、従業員とお客の接触回数を減らす工夫をしたり、店内の換気を強化したりといった取り組みをしている。ディッシャーズも“時代”の流れに沿ったサービスを提供しているように感じられた。

プレートにのせるハンバーグやライスをカスタマイズできる

 また、ディッシャーズは女性客向けの業態にもなっている。店内のデザインはおしゃれになっており、サラダも女性が好むような葉物野菜(レタスなど)を多めにしている。木製プレートで提供するというのも、女性を意識している。実際、平日のランチタイムに訪れた新宿住友ビルの店舗は、オフィス街という場所柄もあってか女性客が半分近く占めていた。

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