そもそも、いつからTikTokは米政府から目を付けられていたのか。
最初にネガティブな内容で大きな話題になったのは2019年。TikTokが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反して13歳以下の子供から個人情報を収集していると米連邦取引委員会(FTC)が指摘。運営企業のバイトダンスが570万ドルの罰金を支払ったことが話題になった。
それ以降は、中国企業のアプリであるTikTokがユーザーの個人データを奪う可能性があるとして米政界などからも批判を受けてきた。そして国防総省などが、米兵などの携帯デバイスからTikTokをアンインストールするよう指示する動きもあった。米軍は位置情報が漏れれば危険だし、動画内の人物の顔データなどが中国の顔認証システムに取り込まれる危険性も指摘された。
今回の騒動を受け、米ワシントン・ポスト紙は専門家と同アプリを検証している。「TikTokのアプリを始めると、最初の9秒間で210件のネットワークリクエストが行われ、500キロバイトのデータ(125ページ分のデータ)が同アプリから送信されることを発見した。その多くはスマホについてのデータである」という。
個々のデバイスの設定などの特徴も識別するほどの情報が収集されているという。そうした情報は暗号化され、外部のエンジニアが調べにくくなっている。TikTok側は、セキュリティのために行っていると弁明している。
さらに言うと、バイトダンス側は中国政府にデータを渡さないと言い張っているが、今後、米中の関係がさらに悪化したり、例えば、有事にでもなればTikTokが中国政府によってどう使われるのかも分からない。インストールしているデバイスに何か仕掛けてくる可能性もあるかもしれない。
こうしたことから、TikTokに対する警戒は何もトランプ周辺だけでなく、共和党も民主党も超党派で声を上げている。
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