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» 2020年08月31日 12時20分 公開

コロナ禍で製薬業界に訪れた転換点 ヘルステック企業が実現を目指す「バーチャル治験」とは?「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(3/5 ページ)

[田中圭太郎,ITmedia]

治験の約半分はがん関連

 数ある疾患の中でも大きな課題を抱えているのは、がんと希少疾患だという。がんは近年の医学の進歩によって、新たな治療が次々とできるようになっているものの、国内で年間約30万人が亡くなっている病気だ。

 同社は、15年にがん情報サイト「オンコロ」を開設した。その大きな目的は、がん領域の最新の研究結果や、治験の情報を発信することだ。

 「世界中で進められている治験の約半分はがん関連です。治験は新薬開発における臨床試験のことで、最先端医療といえます。がんの治験は、患者さんにとっては最後の頼みの綱といった一面もあり、あらゆる選択肢の中でも非常に重要です。にもかかわらず、がんと治験に関する情報が世の中に発信できていないと感じて、オンコロを立ち上げました」

 「オンコロ」ではがん患者の人やその家族、がん医療に関わる人々がつながることができる。「治験お問い合わせ窓口」では、がんの治験に参加する方法について専門のスタッフが回答。80人以上のがん専門医がサポートするなど、エビデンスに基づいた情報を発信している。

 「医療に関しては、さまざまな不明確な情報があります。新型コロナをめぐっては、吉村洋文大阪府知事がイソジンでコロナに打ち勝てると発言して批判を浴びました。エビデンスのない情報を発信すると、社会が混乱します。

 インターネット上にもエビデンスのない情報があふれています。患者さんの体験談や、医師の意見であっても、エビデンスのレベルは低いこともあります。これからもオンコロを通じてエビデンスのある情報を提供していこうと考えています」

2015年に開設したがん情報サイト「オンコロ」

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