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» 2020年09月09日 11時00分 公開

アフターコロナ 仕事はこう変わる:紙もPDFもまとめてデータ化 Sansanが請求書データ化サービスを始めたワケ (1/2)

自社だけの工夫では紙の請求書をなくすことはできない。であれば、経理担当者の代わりに請求書を受け取り、まとめて電子化して提供すればいいのではないか。こんな観点から、請求書の電子化を請け負うサービスが複数登場している。

[斎藤健二,ITmedia]

アフターコロナ 仕事はこう変わる:

 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。

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 コロナ禍でリモートワークの長期化、定着が想定される中、経理業務はなかなかリモートでの仕事が難しい。その理由の1つが、取引先から送られてくる紙の請求書だ。前回の記事では、その背景をまとめた。「紙で送ったり受領したりしたい」という取引先もある中、自社だけの工夫では紙の請求書をなくすことはできない。

 であれば、経理担当者の代わりに請求書を受け取り、まとめて電子化して提供すればいいのではないか。こんな観点から、請求書の電子化を請け負うサービスが複数登場している。2020年5月から、「Bill One」という名称でサービスを開始したSansanもその1社だ。

Sansanが5月からサービス開始したBill One。請求書をまとめてデジタル化するだけでなく、請求書画像もWebからまとめて確認できる

紙とデジタルが混在するなら、経理はアナログに寄せてしまう

 「紙は不便でもデジタル化は難しい。2〜3割くらいをデジタルで受け取っても紙は残り続ける。アナログとデジタルが混在するのであれば、経理はアナログに寄せる」。そう話すのは、Sansanの新規事業開発室でBill Oneを担当する柴野亮氏だ。

 経理には紙で管理する文化が慣習としてある。税法上の要件で求められる点もあるが、すべての業務フローが紙をベースに成り立ってきた。どうせ承認のためにハンコを押すのであれば、最初からデータではなく紙でくれ――。これは普通の企業の経理の本音かもしれない。

 つまり「中途半端にデジタル化すると、業務フローとして成立しない」(柴野氏)わけだ。一部だけをデジタルデータで受け取っても、業務フロー上、それを印刷して管理してしまうことになる。

一括して請求書をデジタル化する

 アナログとデジタルの混在が難しいのであれば、すべてデジタル化すればいい。そこでスタートさせたのがBill Oneだ。Bill Oneセンターという請求書の代理受け取り所を立ち上げて、メールで送られる請求書も、郵送で送られる請求書もまとめて受けるようにした。企業は取引先に、請求書メールの送り先と発送先住所を変えてもらうだけでデジタル化できるわけだ。

Bill Oneのデータの流れ

 Bill Oneは受け取った請求書をスキャンし、内容をOCRとオペレータによってデジタル化。クラウドに保管し、すべての請求書を画像とデータで一覧して確認できるようにしている。

 企業内でデジタル化するよりもメリットも多い。例えば、請求書を担当が受け取ったものの、机の上に出しっぱなしで経理に提出するのを忘れている――という経験をした経理の人もいるだろう。Bill Oneを使えば、すべてクラウドに集約されるので、請求書が届いているかどうかを簡単に確認できる。

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