マジか!? コロナ禍で「薄毛ビジネス」が盛り上がっている理由スピン経済の歩き方(3/5 ページ)

» 2020年09月15日 09時34分 公開
[窪田順生ITmedia]

「薄毛」が気になる

 まず、(1)の「リモートワークやマスクの普及で、自分の薄毛を気にする人が増えた」に関しては、リモートワークが普及した職場で働く人ならば、身に覚えのある方も多いのではないか。テレビ会議をして画面に映った自分を見て、「あれ? オレってこんな額が広かったっけ?」なんてドキッとする。あるいは、上司や同僚の生え際を見て、「前からキテると思ったけどかなり薄くなったなあ」なんて気付く。そんな経験が一度や二度はあるのではないか。実際、NHKの「コロナ時代は“リモート映え”が大事?」(2020年9月9日)でも、このように紹介されている。

 『髪の毛を増やす「植毛」。東京や福岡などにクリニックを持つ医療法人では、これまでは年齢に伴って髪が薄くなった人の治療が中心で、40代から60代くらいの患者が多かったのが、今年6月ごろからは20代や30代の若年層の患者が増えて、中には「リモート映え」を意識した患者が目立つということです』

薄毛を気にし始めた人が増えている!?(写真提供:ゲッティイメージズ)

 これまでそんなに気にしていなかった人も、「薄毛」を気にし始めたのである。ちなみに、この傾向は、リモートワークができないような人たちの間でも見られるという。マスクが当たり前になったので、どうしても顔の印象は「目」か「髪」しかない。人間は相手と話をするときに、ずっと目を見つめることはなかなかできないので、どうしても視線は髪へいく。そうなると、「なんかすごい生え際見られてんな、もしかしてオレ、ハゲてる?」なんて気を病む人が増えているのだ。

 そんな薄毛コンプレックスの話とはちょっと異なるのが(2)の『外出自粛による運動不足やストレスで「抜け毛」の悩みが増えた』である。実は少し前に「コロナ抜け毛」という言葉がトレンドランキングに入ったことがある。

 コロナへの恐怖や、長引く自粛生活によるストレス、あるいは外出自粛によって運動不足や、不規則な生活になったことで、抜け毛に悩む人が増えているのだ。また、これはまだ科学的な裏付けのある話ではないが、新型コロナの後遺症で「抜け毛」が増えているといった話もある。

 新型コロナに感染して重症化した米人気女優アリッサ・ミラノは8月、髪にブラシすると大量の抜け毛が絡まる動画を公開してこのように訴えた。

 「みんなの髪にCovid-19がどんな影響をもたらすのか、私が示します。これを真剣に受け止めてほしい」

 実際、世界で多く報告されているコロナ後遺症患者の中では「ヘアロス」という大量の抜け毛に悩まされている人も少なくない。日本でもPCR検査で陽性確認されるのはほんの氷山の一角で、実際には多くの無症状患者が世にあふれていると言われている。つまり、ストレスによって「抜け毛」が増えている人たちも、実はコロナの後遺症である可能性もゼロではないのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.