マジか!? コロナ禍で「薄毛ビジネス」が盛り上がっている理由スピン経済の歩き方(4/5 ページ)

» 2020年09月15日 09時34分 公開
[窪田順生ITmedia]

世界的な現象

 いずれにせよ、深刻かつ切実な悩みから、ウイッグや育毛剤を求める女性も増えている。それはつまり、新型コロナが長期化すればするほど、薄毛対策ビジネスの需要が高まっていくということなのだ。

 一方、薄毛対策のニーズにはコンプレックスだけでなく、「今日からオレは!」という前向きなイメージチェンジもある。それが、(3)の『「外出自粛」を利用して外見を変える人が増えた』である。

 皆さんはこんな経験はないだろうか。頭頂部がスカスカでかなり寂しい感じのおじさんが、正月休みや夏休みが終わったらなんだか急に髪のボリュームが増していた。あるいは、サッパリとした顔立ちの女性が有休を明けたら、いきなりパッチリとした二重まぶたになった。

 働く人たちが周囲に悟られることなく、カツラ装着、植毛手術、美容整形などの「変身」をするのはかなり至難のワザだった。しかし、今回新型コロナによる外出自粛や自宅勤務によって、そのハードルがグンと下がった。そのため、これまで周囲の目を気にして踏み切れなかった人たちがコロナを機に続々と「変身」しているのだ。

 これは日本のみならず世界的な現象だ。BBCニュースの「美容整形手術、新型ウイルス流行で増加 日米や韓国」(2020年7月11日)によれば、米国、日本、韓国、オーストラリアなど全ての国で、唇を厚くする、しわを取る、鼻の形を整えるといった手術の件数が増えているという。理由は、マスクで施術部分を隠せるのと、在宅勤務が増えてあまり人と会わなくて済むのが理由だという。

 このような理由で美容整形が増えているのなら、段階を踏んで周囲の自毛と馴染ませるプロセスが必要なカツラ装着や、増毛手術などが増えていたってなんら不思議ではないのだ。

 以上のような要素から、薄毛対策のビジネスが活況になっていることが分かっていただけたと思うが、このトレンドはしばらく続くのではないか、と筆者は考えている。

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