「タピオカバブル」がコロナで大崩壊 “聖地”原宿の閉店ラッシュと各社の生き残り策長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)

» 2020年09月16日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

“聖地”原宿の目を覆いたくなる状況

 筆者は9月13日(日曜日)の夕刻に原宿を訪れた。新型コロナ流行の第2波が下火になって、東京都も「Go To トラベル」への追加が検討されていると報道されたためか、竹下通りや表参道、明治通りの人通りはかなり戻ってきていた。8月の閑散とした状況とは異なっている。

人通りがかなり戻ってきた原宿・竹下通り

 ただし、裏通りに入ると人影はまばらで寂しく、本格的な来街者の回復にはかなりの時間を要するように思われた。

 原宿界隈のタピオカ店における人気の凋落(ちょうらく)は、目を覆うばかりだ。今年の1〜2月にはどの店の前も黒山の人だかりだったと記憶する。現在、全く顧客が来ないという店はさすがに少ない。だが、ほぼ並ばずに買える店ばかりになった。

閉店した、原宿ジャニーズショップ前のココトカ

 判明しているだけで、原宿エリアでコロナ禍により10店が閉店している。これだけ淘汰されても明らかなオーバーストアの状態で、タピオカバブルの崩壊を目の当たりにした。

 閉店したのは、最大手であるゴンチャ原宿表参道店、ココトカ原宿店、パールレディ原宿店、アルフレッド ティールーム原宿店、カムバイティー表参道店、コイティー表参道店、御黒堂原宿店、カフェナンバー原宿店、チャノン表参道店の9店。アイスモンスター表参道店も入れると10店だ。

 ざっと、3〜4割くらいのタピオカ専門店が無くなり、その分を合わせると原宿のタピオカの顧客は全盛期の1〜2割程度にまで減ったと思われる。

タピオカの人気店だった、コイティー跡地

 ゴンチャとココトカは原宿にもう1店ずつあって、そちらは健在。大行列まではできないが、根強い人気があり、店舗を集約した効果が出ている。

 残った店舗で集客が良いところには共通項があって、3つのタイプに分けられる。

 1つ目は、食事が充実しており、お茶やタピオカと共に楽しめる店だ。原宿エリアでは春水堂、台湾甜商店、モゲティーなどが該当する。

 2つ目は、中でゆっくりできるカフェとして成立している店だ。ジアレイや、残ったほうのゴンチャ原宿表参道2nd店などである。

カフェとして居心地も追求するジアレイ

 3つ目は、立地がとても良い店だ。ラフォーレ原宿の中にあるノナラパール、原宿駅竹下口のすぐ横にあるココトカJR原宿駅竹下口店などである。

 それ以外は、一部の例外があるものの、表通りに面していても厳しいのが現実だ。

 一時期、ポストタピオカと騒がれたチーズティーの店にも同じことが当てはまる。彩茶房は食事が充実しているし、マチマチはラフォーレ原宿のテナントである。

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