「タピオカバブル」がコロナで大崩壊 “聖地”原宿の閉店ラッシュと各社の生き残り策長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2020年09月16日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

タピオカ大崩壊を乗り切る施策は

 さて、このようなタピオカ大崩壊を踏まえて、事業会社はどのような施策を練っているのだろうか。

 8月20日、回転寿司最大手のスシローグローバルホールディングス(GH)は、台湾のシェアティーと提携して、新宿マルイ本館(東京都新宿区)の1階に、シェアティー1号店をオープンした。

新宿マルイ本館1階にオープンした、シェアティー日本1号店

 シェアティーは1992年に台湾で創業して以来、世界に500店以上を展開する台湾茶の人気店。「ちょっとの上質を、毎日の贅沢に。」をコンセプトにしている。メインの「四季ティー」(M:350円、L:400円、税別以下同)をはじめとする5種の台湾茶のアイスとホット、それらのラテに加えて、フルーツティーや紅茶ソフトクリームも用意した。

シェアティーの商品群

 台湾で自然栽培されている茶葉を100%使い、専用のティーエスプレッソマシンでドリップしたてのお茶を提供している。

 タピオカが入った商品は、「タピオカミルクティ」(M:500円、L:550円)の1種類のみである。

 ソフトクリームは実際に食べた人からは好評という。

 日本でシェアティーを展開するシェティージャパンは、スシローGHの子会社スシロークリエイティブダイニングと、台北にある事業会社の合弁会社。

デザイナーの平安座レナ氏と、氏がデザインした店の制服

 スシローの店舗では2019年7月にシェアティーとのコラボレーションで、「光るゴールデンタピオカミルクティー」を投入した。ミルクティーの容器をスマートフォンの光で下から照らすと、金色に光る物珍しさもあってヒット。その後も、「黒糖ミルク」「宇治抹茶ラテ」「ほうじ茶オーレ」とシーズン商品をシリーズ化。累計170万杯、2秒に1杯飲まれるほどの人気になっている。

 しかし、今回出店した新宿マルイの台湾茶専門店のタピオカは光らず、ストローも無地の紙製なのでインスタ映えもしない。あえてのタピオカのメイン外しが吉と出るか、注目される。

 なお、ファッションデザイナーの平安座(へんざ)レナ氏を起用しており、店舗はインスタ映えするデザインに仕上がっている。ユニホームとカップのデザインも平安座氏が行った。

 現状、新宿エリア自体が歌舞伎町の“夜の街”に広がった新型コロナの影響で訪れる人が少ない。そのため、新宿マルイの集客も回復途上と見受けられ、それなりのスタートだ。

 ゆっくりと座る席が設けられておらず、テークアウト専門に近い。今は店内飲食を避ける人も多いが、くつろげない難点があるのは確か。一方、通路の向かいにアップルストアがあり、ゆっくり座れるスペースも設けられている。シェアティーと連動させられないだろうか。

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