ロイヤルHDでは、シェフが手作りするロイヤルホストの味を家庭で再現できる冷凍食品シリーズ「ロイヤルデリ」を開発。19年12月、その商品群を実際に店内で食べられる次世代食堂「ギャザリング・テーブル・パントリー」を、東京都世田谷区の東急・二子玉川駅前にオープンした。
ギャザリング・テーブル・パントリーは、東京・日本橋馬喰町に17年11月、実験的な現金お断りのキャッシュレス専門店として登場したが、2号店の二子玉川店もキャッシュレスを継承している(馬喰町店は今年7月に閉店)。
各店にシェフを配置するロイヤルホストが冷凍食品を扱うことは、一見すると矛盾している。しかし、製造工程の大半で手作業を基本とする食品工場も実際に存在する。例えば、成城石井のセントラルキッチンがそうだ。
二子玉川の同店を訪問し、「バターチキンカレー」を注文したが、ロイヤルホストの味と比べて劣っていると筆者には感じられなかった。見事な商品で、家庭のニーズに応えられると確信できる出来であった。
店内には、ロイヤルデリの販売コーナーも設けられ、物販とのハイブリッドとなっている。
ロイヤルグループが冷凍食品を開発したのはなぜか。女性の社会進出が加速して冷凍食品の売り上げが伸びていることや、19年10月の消費増税で外食が軽減税率の適用外になったとことなどが背景にある。このコロナ禍で外食離れが進み、冷凍食品のような保存性に優れた商品がさらに伸びている。ロイヤルデリは、ロイヤルホストなどの227店舗や通販で取り扱っており、4〜6月の売り上げは1〜3月の5.8倍に急増した。時流に乗っている。
閉店する約70店舗の状況はどうか。まず、ステーキ、ハンバーグとサラダバーの「カウボーイ家族」を8月末に7店舗閉店し、11店体制とした。同社広報によると、「ロイヤルホストは基本、閉店しない方針」とのことだ。ロイヤルデリとのハイブリッドで巻き返しを図る。
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