コロナ禍で改革急ぐファミレス サイゼリヤとジョイフルの苦戦が長引きそうな理由「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(5/7 ページ)

» 2020年09月30日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

デニーズのデリバリー専門店

 デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズでは、新型コロナ対策でソーシャルディスタンスに考慮した店づくりを行っており、座席数をこれまでの60%程度にまで減らしている。そのため、従来の店舗では売り上げを増やすことは難しくなったが、新しく今秋からデリバリー専門店を本格的に展開する。

 大井町駅前店(東京都品川区)の横に5月11日、デリバリー専門店を実験的に設けて検証を進めている。

デニーズ大井町駅前店。隣接してデリバリー専門店がある

 同社広報によれば、「大井町駅前店とは厨房も別で、宅配専用の手の込んだパエリアなどのメニューも開発した」とのことだ。宅配だからこその特別メニューを提供して、デニーズのデリバリーの価値をアピールしていくという。客席の要らないゴーストレストランならば、外に看板を出す必要もなく、裏通りでもビルの上階でも出店できる。接客係も要らないので、店員は料理を作るだけ。配達はウーバーイーツ、出前館などの専門業者が運んでくれる。

 ブランドの知名度と信用を積み重ねてきているデニーズならば、デリバリー市場でも有利だろう。

デニーズは宅配を強化

 宅配専門業者が営業を行っていない郊外では、別の対策を打つ必要がある。そこで、8月から東京都江戸川区の本一色店にて、ドライブスルーの実験「くるまでデニーズ」を開始した。

 車内から店舗横のインターフォンで注文。15分ほど待ってもらい、料理ができたら携帯電話に連絡する。現金の場合は、店員が車に料理を届ける際に支払う。キャッシュレスなら、車を降りて店内のレジで決済する。キャッシュレスでも車内で決済できるように改善されたらベターだろう。

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