いいオフィスの事業は、コロナ禍が追い風となった。企業は固定オフィスを解約しても、社員が働く場所はどこかに必要だ。従来の固定型のオフィスがコワーキングオフィスに業態転換し、いいオフィスにFC加盟する流れもある。
「計画を上方修正している。12月には300店舗に到達するだろう。さらにすぐに1000店舗くらいは行く。大幅に上方修正する」と龍崎氏は意気込む。700店舗を上乗せする秘策は、飲食店のコワーキングオフィス展開だ。
コロナ禍で客足の減った飲食店にFC加盟してもらい、店舗の一部のテーブルをコワーキングオフィスとして利用できるようにしていく。飲食店を助けるため、当初は手数料を取らず、利用料金の100%を飲食店側に分配する。ユーザーには、飲食店内のコワーキングスペースを利用できる「いいオフィスライトプラン」を、月額1万円で提供する計画だ。加盟店舗が増えれば、毎日好きな飲食店を巡って仕事をできるようになる。
7月末までに総額1億6000万円の出資を投資家から受け、10月にはさらに2億5000万円の増資を予定している。事業コンセプトがコロナ禍でのニーズにぴったりと合い、急速に事業を拡大する同社だが、実は正社員は社長の龍崎氏1人しかいない。
「新しい働き方を提案していく中で、一切社員がいない形で進めている。社員ゼロでも、合計5億円が集まってしまう。一方で、190人くらいの株主と、FCオーナーが250人いる。『俺らが応援してたんだよ』といえるようにしたい。本当のファンを作っていく」(龍崎氏)
同社はすでにフィリピンには進出済みで、今後はさらに世界展開を進めたいという。世界的に、コロナ禍でオフィスの在り方は大きく変わり、そして働き方も大きく変わろうとしている。コロナ禍による変化を追い風にできるビジネスは、いろいろなところにヒントが眠っている。
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