フィンテックで変わる財務

唯一無二のアイテムをデジタル化 NFTとは何か?(2/3 ページ)

» 2020年10月08日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

ゲームやデジタルアートから始まったNFT活用

 NFTの活用は、最初にゲーム領域から始まった。ブロックチェーンゲームと呼ばれるジャンルでは、ゲーム内で獲得したキャラクターはNFTとして扱われ、特有の価値を持つ。

 「ゲーム上で手に入れたキャラクターにNFTとしての価値が付いていて、売買や交換ができるようになってきている。そのゲーム内だけでなく、外の交換所で交換ができる。国内でもNFT交換所設立の動きが出てきて、ブロックチェーンのことを知らなくても利用できるようになってきている」(太田氏)

 暗号資産取引所のコインチェックは、NFTの交換所を2020年度内に立ち上げると発表している。人気ゲームのマインクラフト内のアイテムなどをNFTとして扱い、交換所を通じて売買できるようにする仕組みだ(関連記事)。

コインチェックは、NFTを交換、売買できるマーケットプレースを立ち上げる予定だ

 ゲーム内のアイテムを交換できる仕組みは従来もあった。しかし、それがブロックチェーン上にNFTとして記録されることで、そのゲームのプラットフォームを離れても、保有したり自由に交換したりできることが特徴だ。手元の暗号資産ウォレットに、アイテムやキャラクターをNFTとして保管することや、好きな取引所を介して、あたかも暗号資産を売買するようにNFTを売買できる。

 Anique(東京都渋谷区)が運営するサービスも、デジタルアートを購入した際に、その所有権をブロックチェーンで記録するというものだ。デジタルアートそれぞれにIDが付けられており、そのIDと保有者のアカウントをひも付けることで保有とする。ブロックチェーン上に、デジタルアートの保有来歴を記録することで、誰がどの作品を保有しているのかが証明される。保有しているデジタルアートは、基本的に他の人に譲渡することも可能だ。

Aniqueが販売するデジタルアート。購入すると、そのアートの保有者となる
アートにひも付いたIDをNFTとしてブロックチェーン上に記録する

 

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