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» 2020年11月10日 08時00分 公開

ビットコインが「このタイミングで」再高騰した真の理由“いま”が分かるビジネス塾(3/3 ページ)

[加谷珪一,ITmedia]
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インフレ下で金と同じメカニズム

 各国はコロナ危機で大型の財政出動を余儀なくされており、財政悪化は必至である。経済学の常識として財政が悪化すれば、金利が上昇し、インフレを招くことになる。機関投資家の一部は、インフレ対応モードにシフトしており、ポートフォリオの見直しを進めている。

 インフレが予想される場合、債券は保有できないので、資産の一部はインフレに強い株式銘柄や不動産、あるいは金などにシフトする。金価格がこのところ急上昇しているのは、一部の投資家がインフレを警戒し、資産の一部を金に回しているからである。

 ビットコインにも金と同じメカニズムが働く可能性が高いということになると、金に加えてビットコインを保有するという選択肢が出てくる。実際、今回の相場では個人だけでなく機関投資家の参加が目立つが、これはインフレを意識してのことだろう。コロナ危機による影響は当分、続くので、ビットコイン価格はインフレによって通貨の価値が毀損した分だけ上昇余地が生じることになる。

 ちなみに、ビットコインは決済など日常的な用途に使われないので価値がないと指摘する人がいるが、これも価格形成のメカニズムを考えれば誤りであると分かるはずだ。価格が上がると思っている資産をわざわざ売却して消費に使うバカはいない。ビットコインと金に類似性があるのなら、金と同様、半永久的に決済に使われないまま、価値を維持する可能性も十分にある。

加谷珪一(かや けいいち/経済評論家)

 仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。

 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に「貧乏国ニッポン」(幻冬舎新書)、「億万長者への道は経済学に書いてある」(クロスメディア・パブリッシング)、「感じる経済学」(SBクリエイティブ)、「ポスト新産業革命」(CCCメディアハウス)などがある。


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