極味やのハンバーグ専門店は、福岡、大阪、東京に計4店を展開しており、20年8月時点で累計150万食を突破した。価格は120グラムで1090円、160グラムで1490円、200グラムで1890円というのが基本となっている(いずれも税別)。お好みで刻み葱が無料トッピングされる。
最初は何も付けずに食べることが推奨されているが、6種類のソース(岩塩、わさび、ゆずこしょうポン酢、甘ダレ、オニオンソース、肉ダレ)で味変が楽しめるのも、挽肉と米と同様に面白い。
ご飯、サラダ、スープ、食後のソフトクリームが別途350円のセットとなっているが、これらは単品で注文もできて、おかわり自由である。
伊万里牛や神戸牛のステーキも提供していて、どちらかというとインバウンドの外国人向けだ。日本人の顧客はほぼ100%、ハンバーグを注文する。神戸牛のハンバーグもあり、普通のハンバーグと食べ比べ可能なセットメニューも用意されている。なお、神戸牛のハンバーグには、ぜいたくにも無料で金箔がトッピングされる。
このように、挽肉と米と極味やは、それぞれ独特な個性を持った店だが、1人客も歓迎のカウンター形式となっている。また、焼き肉店を彷彿(ほうふつ)させる店づくり、定食形式でご飯のお代わり自由、多彩なソースによる味変化、といった共通点があった。
従来のハンバーグの店は、「ビッグボーイ」や「びっくりドンキー」のようなファミレス形式が主流だった。
両店がハンバーグ専門店における、「焼肉ライク!」(1人焼き肉を提案するチェーン)のような位置付けとなっていくのだろうか。
この他にも、びっくりドンキーを展開するアレフが、6月に片瀬江ノ島と新宿に、省人化・非接触を徹底した近未来型新業態「ディッシャーズ」を提案。六本木から熟成肉ブームを起こした「格之進」の門崎が、東京駅に開業した商業施設のグランスタ東京に、ハンバーグ専門店「格之進ハンバーグ&バル」を8月にオープンするなど、20年はハンバーグの注目店が続々と登場している。
これらの中に、近未来のハンバーグ専門店のスタンダードとなる有望株が潜んでいるのか。期待したい。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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