感染者最多の米国に「海外出張」 空港で実感した水際対策の違いとビジネス渡航の現状世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)

» 2020年12月03日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

6枚もの書類、PCR検査――日本の水際対策

 米国の空港では人の数は普段よりは明らかに少ないが、それでも多くの人が空港を利用していた。

 ただ日本行きの帰国便では、米国に向かった際よりも、さらに人が少ない。200人ほど乗れる機体だろうが、30人もいない。航空会社がかなり厳しい状態にあるのが分かる。

 日本への入国は、米国への入国とは違い「適当」ではなかった。感染者が世界でも多い米国から帰国するのだから当たり前だろう。

 機内では、帰国の際には必ず記入する通常の携帯品申告書に加えて、A4で6枚の書類を渡される。全て新型コロナに関する書類だ。

 例えば、「質問票」という書類では、訪問国や過去14日間の健康状態を記入する。さらに14日間の滞在先を書き、公共交通機関を使わずに移動できるかどうかも確認される。

 また「厚生労働省からのお願い」と書かれた書類では、メッセージングアプリの「LINE」で海外から帰国した人に14日間にわたって健康状態を確認することに合意するかどうか尋ねられた。もしLINEでの登録を望まない場合は、保健所が電話で健康状態の確認を行うことになると書かれていた。

帰国後に厚労省から送られてきたLINEの画面。健康状態を確認された

 日本到着後、入国審査は自動ゲートで行われる。その後はPCR検査に向かう。機内で記入した書類を提出して確認し、プラスチックの唾液採取容器を受け取る。そして設置された採取ブースに一人ずつ入り、検査。それを提出し、別の特設ゲートに向かって検査結果が出るのを待つ。50人ほどがロビーで待っていた。

 1時間もしないうちに、設置されたテレビスクリーンに自分の番号が掲示され、ゲートに向かって結果を聞く。私の検査結果は、陰性。ほっとしてそのまま荷物を取り、空港を出ることが許された。陽性なら、そのままホテルに連れていかれて強制隔離ということになるらしい。

 ただPCRで陰性であっても、14日間の自粛期間は、公共交通機関には乗らないよう求められた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.