生茶ブランド5年ぶりの新商品となったほうじ煎茶。しかし、他の大手飲料メーカーはすでにペットボトル入りほうじ茶を販売していて、最後発の商品だ。山田氏はそれでも勝算があったと振り返る。
ほうじ茶市場は、すでに成熟している緑茶と競争の構造が異なる。同社の調査では、ほうじ茶購入の際は特定の商品が飲みたいという「ブランド買い」ではなく「ほうじ茶が飲みたい」という理由で購入する傾向にあった。つまり、まだ「お気に入りの商品」を持っていない人が多いことが分かる。その結果を踏まえ山田氏は「後発で参入しても差別性や独自性を強調すれば商機があると分析した」と話す。
ほうじ煎茶の発売後に行った調査では、約9割が「おいしい」と答え、発売4週間のリピート率は20%以上という結果となった。また、ほうじ煎茶の好調が寄与し9〜10月の「生茶」ブランド全体の販売数量は前年比で115%と拡大している。
SNSでの反応も上々だ。無糖茶のボリュームゾーンは40〜50代の女性だが、20代の若い層からも「いい反応」が返ってきているという。「食事やスイーツへのあわせやすさから、高いリピート率につながったのでは」(山田氏)
健康志向を追い風に、ブームが続くほうじ茶。山田氏は「ほうじ茶には定番化するポテンシャルがある」と分析し、ほうじ煎茶のさらなる定着化に向けて努力を続けたいと意気込む。
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