しかしバブル崩壊後の90年代中頃から、若い世代の男性を中心に「ロン毛」のような無造作な動きのあるヘアスタイルが人気に。ヘアスタイリング剤の主流はフォームやジェルからヘアワックスへと移っていった。ルシードも「ヘアシャワー」や「ヘアローション」といった商品を提案したが、その流れに対応できず売り上げは95年をピークに減少していくことになる。
また、男性化粧品の主力アイテムとしてヘアスタイル剤に並びスキンケア商品が台頭。そこでルシードは、97年からスキンケア商品など新カテゴリーへ進出。その後もアイテム数を増やし、ターゲットを広げてブランド拡大に向けた動きを加速させ、売り上げは徐々に回復していった。しかし、00年代後半からは再び減少していくことになった。
当時売り上げが減少した要因について、マンダム ブランドマーケティング二部 部長の倉石昇氏は「アイテム数を大幅に増やしたことで投資が分散。また、狙う客層を広げることでメインターゲットが定まらなくなり、ブランドのイメージがなくなってしまっていた」と振り返る。ターゲットやポジションが不明確なままでは新たな顧客を取り込めず、ブランドが衰退してしまう。そう危機感を感じた同社が着目したのが、加齢による悩みを持つ40代だった。
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