コロナ禍で注目、水道いらずの手洗い機「WOSH」 排水量はわずか1%水インフラが変わる(1/2 ページ)

» 2021年01月04日 07時00分 公開
[上間貴大ITmedia]

 手を洗いたいけど水道がない……。新型コロナウイルス感染拡大を機に、このように感じたことがある人も多いのではないか。その悩みを解決できるかもしれない新しいアイテムが注目を集めている。

 2020年12月19、20日。クリスマス前で賑わう東京銀座の歩行者天国に、白いドラム缶型のスタンドが並んだ。水循環型の手洗いスタンド「WOSH」だ。

銀座通連合会主催で銀座の街に20台のWOSHを設置

 WOSHは、20リットルの水と電源があれば繰り返し使うことができる手洗いスタンドだ。手をかざすと水が出る非接触の仕組みを採用した。ろ過や塩素添加、紫外線照射の技術を活用した水再生処理装置を搭載し、使った水をWHOの飲料水ガイドラインや各国の飲料水基準に準じたレベルまで再生。衛生的な水で手を洗うことができる。再利用できない水は別のタンクにたまる仕組みで、排水量は約1%で済む。

 本体にドラム缶を採用したのは、生産設備を問わず世界中で生産できるようにしたためだ。3Dプリンタを活用した量産も想定しているという。

手をかざすと水が出て、手洗い推奨時間の30秒間青いライトが点灯する

 開発したのは、水処理装置の製造・開発を手掛けるWOTA(ウォータ、東京都文京区)。ウォータは、2014年10月に東京大学大学院生が学生ベンチャーとして設立。19年2月には、AI(人工知能)を活用して排水の98%以上を再利用できる「WOTA BOX」を開発。この装置は、シャワーや手洗いのシーンだけでなく、洗濯機にもつなげて利用できる。被災地においても入浴支援で活躍した。

WOSHの内部。ドラム缶にたくさんの技術を搭載している
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