日本の建築やデザインについて尋ねてみると、「強く魅了されている」と熱く語った。
「私たちは何度も日本を訪れ、日本との強く特別なつながりを感じています。日本とのプロジェクトにおいて、私たちは地元のサプライヤーや職人たちと協力するよう努めており、これらが作品にとって絶妙なスパイスとなっています。特に職人が作り出すデザインは歴史が長く、伝統として大切にされてきたもの。私たちのコンセプトである詩的モダニズムと共通する点でもあると感じています」
「ワビサビと呼ばれる古き良きものに美を見い出す日本の文化や芸術には、時間をかけて技術を磨いた職人によるすぐれた表現力が現れていますよね。いずれも、謙虚さを持った独特で美しいオブジェクトだと思います。継承者がいないなど、ある時点で存在しなくなるかもしれないと言われるものもありますが、その儚(はかな)さも美しさの一部でしょう」(Rützou氏)
魅力的だと感じる日本人建築家を尋ねると、丹下健三氏、隈研吾氏、安藤忠雄氏、西沢立衛氏、ジョージ・ナカシマ氏の名前を挙げた。
「まだまだ数えきれないほど、素晴らしい日本人建築家が存在すると思います。細部へのこだわり、正確さ、スピリチュアリズムは、私たちにとって非常に刺激的で、深く共感するとともに賞賛を送っています」
創業初期から世界を舞台に活躍するスペースコペンハーゲン。今回、お互い母国語でない英語取材ということで取材のやり取りは複数回にわたったが、非常に丁寧に回答する姿勢が印象的だった。彼らが手掛ける日本でのプロジェクトはもちろん、北極圏のホテル、Svartの完成にも期待したい。
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