社長の平均年齢が60歳超に 最も高い都道府県は? 後継者不足は依然深刻帝国データバンク調べ(2/2 ページ)

» 2021年02月05日 17時00分 公開
[ITmedia]
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「秋田県」は62.2歳 平均を上回る地域は「東日本」で目立つ

 都道府県別では「秋田県」が平均62.2歳(全国平均+2.1歳)で最も高くなった。次いで「岩手県」が62.0歳(同+1.9歳)、「青森県」が61.8歳(同+1.7歳)と続いた。また、東北以外でも主に東日本では全国平均を上回る地域が目立った。

 帝国データバンクが調査を開始した90年と比較して社長の平均年齢が最も高かったのは「秋田県」(+8.4歳)、次いで「青森県」(+7.9歳)、「山梨県」・「沖縄県」(+7.8歳)となった。一方「三重県」は平均58.8歳(全国平均−1.3歳)と、全国で最も低かった。

社長の平均年齢推移(都道府県別)(出典:帝国データバンク)

 高齢化が進むにつれて社長の平均年齢も右肩上がりで推移しており、90年(平均54.0歳)と比較して6.1歳上昇。また、業歴30年以上では全体の平均年齢を上回っており、老舗クラスの企業では社長の高齢化が顕著に進んでいるといえる。

 社長平均年齢の上昇は、年齢に関係なく第一線で活躍し続ける社長が多いことを示しているが、事業承継の観点では課題の1つになり得る。20年時点の社長交代率は3.80%と大きな変動はみられないほか、後継者が不在であることなどが一因となった倒産は20年1〜12月で452件と依然として高水準である。企業の将来性を担保する観点からも、早めの後継者選定および育成に取り組むことの重要性が増している。  

社長の交代率推移(出典:帝国データバンク)

 帝国データバンクは、社長の平均年齢は今後も上昇傾向が続くとみられるとした上で「これまでに培ってきたノウハウや歴史を絶やさないためにも、円滑な事業承継に向けた準備が急務になっている」と指摘する。

 調査では、21年1月時点の企業概要データベース「COSMOS2」から、企業の社長データを抽出。約94万社を「業種別」「業歴別」「都道府県別」に集計・分析した。

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