古着ファッションは四半期世紀前に一大ブームを迎える。ピーク年度にバラつきがあるかもしれないが、私の記憶では1997年頃ではなかったかと思う。この年は消費税が3%から5%に上がり、山一証券や北海道拓殖銀行などが破綻した年でもある。ちまたでは「たまごっち」が流行し、若者に人気の商業施設「SHIBUYA109」で販売しているような「109系ファッション」が台頭した頃の話だ。
テレビドラマでは木村拓哉と松たか子タッグの「ラブジェネレーション」の平均視聴率が30%を超え、キムタクが腕にしていたロレックスのエクスプローラーが入手困難になるほど話題となった。そんな年に古着ファッションは「ヴィンテージ・ファッション」と格上げされて呼ばれるほど人気を博した。
いつの時代でもファッション・アイコンが登場すると、1つのファッション・ムーブメントが盛り上がる。そのファッション・アイコンの代表的な存在として、ひと昔前では木村拓哉だったろうし、メンズファッション誌に勢いがあった頃は、浅野忠信などもよく表紙を飾っていた。だが、マスメディアの下火とともに強烈なインパクトを持ったファッション・アイコンも見当たらなくなってしまった。
しかし、今、若者達の古着熱にひと役買っているファッション・アイコンがいる。その新しいファッション・アイコンが菅田将暉だ。彼はアダストリアグループの「Niko and…」でアンバサダーを務めているが、私服では古着が多いようだ。個人のアカウントで発信されるSNSでは、古着を着用している事が多い。また、彼が着ていそうなシャツは「#スダシャツ」、穿いていそうなスラックスは「#スダックス」とハッシュタグが付いていて、古着を取り入れた彼の着こなしにも注目が集まっている。
古着テイストに絞ってみた時、もう1人90年代当時のファッション・アイコンを挙げるとするといしだ壱成だろうか。線の細さなどから、今の菅田将暉が持つ雰囲気に近い存在だったような気がする。オヤジの述懐はこのあたりにして、今回の古着ファッション人気は、97年当時の一大ブームと何が違うのだろうか。
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