しかし、実店舗を出店するには少なからず管理費がかかる。これまで行っていたネット販売をさらに強化するということは考えなかったのだろうか。その点について平野氏は「他店との差別化」を理由にあげる。
「今、ネット販売は主流となり、多くの店舗が導入している。ネット上で他社との差別化を図るには、必要以上に価格を下げる必要が出てきてしまう。価格競争から抜けたところで勝負がしたいと思った」(平野氏)。無人販売にすることで人件費などを抑えられ、必要以上の経費をかけずに商品を売ることができると判断した。
また、実際に試着したり質感を見たりできる点もネットでの販売にはない魅力の1つだ。ネットになじみがない年代にも商品を届けることができる。
立地にもこだわった。同店は西武新宿線野方駅から徒歩3分程と駅から近いうえ、多くの人で賑わう商店街に位置している。また、店舗の隣には24時間営業のコインランドリーがある。平野氏によると緊急事態宣言前は、飲食店からの帰りに立ち寄ったり、コインランドリーで洗濯を待っている間に訪れたりする人も多かったという。
こういったメリットがある一方で、気になるのは防犯だ。24時間開いていながら店員がいないとなれば、商品が盗まれるリスクが高まるのではないか。この点もムジンノフクヤでは、シンプルな方法で対策を行っている。
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