地球観測サービスの「AxelGlobe」は、基本的にはB2Bのビジネスだ。衛星画像による定期的な観測は、農業への活用や、環境モニタリングといった用途に広がりつつある。中村氏は、民間のサービスのメリットは、利用しやすい料金にあると説明する。
「現在提供しているのは、サブスクリプションタイプのサービスです。30キロ×30キロの四角いエリアについて、1カ月に撮影した画像を、月額10万円の料金で提供しています。5機体制になれば撮影の頻度が増えますので、マーケットのニーズにさらに寄り添ったデータやソリューションの提供を考えていきます」
5機体制をにらんで20年10月に開始したのが、衛星データを活用した事業継続計画(BCP)支援サービスだ。自然災害や事故などが発生した際に、遠隔地にある資産の状況を迅速に把握できるように、定期的に衛星画像を撮影するとともに緊急時も撮影する。
最も安価なプランでは、3カ月に1度の撮影頻度で月5万円から提供するという。要望に応じてデータの分析も可能だ。衛星画像を利用するサービスとしては画期的な低料金といえる。
「災害が起きた場合、JAXAの衛星でも撮影をしますが、(災害が)起きる前の情報がないので困っているという声をよく聞いています。何かが起きたから撮影するだけでは、予見可能性もありません。
そこで、通常から定期的にモニタリングをして、緊急撮影もしようと考えたのがBCP支援サービスです。これまでは衛星の緊急撮影を要請すると、数百万円かかっていました。このサービスでは緊急時に自動で撮影し、かつ、リーズナブルなコストで提供します。BCPは1つの例で、いろいろなニーズに合うようなサービスを今後も考えていきたいと考えています」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング