世界的AIプラットフォーマーをめざす――――。
「AI insideの衝撃【前編】」では、同社が提供を行うAI OCR「DX Suite」の驚異的な成長とその要因についてSaaSビジネス観点から分析を行いました。
今期40億円を超える売上を見込み、250%を超える売上高成長率を達成しながらも「SaaSでの展開はあくまで通過点」と、AI insideの渡久地択CEOは次の展開を見据えています。
後編でも「企業データが使えるノート」のアナリストが、引き続き渡久地氏にインタビューを行いながら「GAFAが競合になり得る」というポテンシャルを持つ、AIプラットフォーマーとしての可能性を探っていきます。
AI insideは自社のビジョンを「AI inside X」と掲げています。
"X"は代入できる変数を意味し、「世界中の人・物が代入され、生活に溶け込んでいくように誰もが特別な意識をすることなくAIを使える」というメッセージを打ち出しています。
近年バズワード化し、期待先行とも思われるAIですが、AI insideはビジョンに違わぬ実績を積み重ねると共に、有事ともいえるコロナ禍においてもAIの価値を確実に届けています。
2020年5月、NTTデータは「特別定額給付金」支給業務を行う地方公共団体向けに「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」の無償提供を開始しました。このサービスはAI insideがOEM提供を行っているAI OCRであり、NTTデータが独自のブランドで展開を図りながらもDX Suiteをベースとしています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、行政は給付金申請対応という膨大な事務手続きに追われています。
突然的な業務により残業対応も増える地方自治体において、AI insideの技術を基にしたプロダクトは現場へ迅速に浸透し、500以上の自治体で工数を大幅に削減。RPAなどの技術も活用しながら、申請から最短4日での給付が可能となる事例も報告されています。
加えて、21年1月には対応が急がれるワクチン接種管理業務に対してもDX Suiteを活用した「ワクチン接種管理業務ソリューション」を地方自治体向けにリリースしました。AIが絵に描いた餅となることなく社会に実装されていく様子が分かります。
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