銀座のクラブ街は午後7時までの酒類提供、午後8時までの営業では成り立たないので、緊急事態中はほぼ休業していた。一律1日6万円の協力金では維持していけない店舗が相当数あるが、ごく小規模なところは逆に“協力金バブル”になる矛盾が生じている。緊急事態が明けてからも、3月中は営業時間が午後9時までと1時間後ろに延長されるだけで、協力金も1日4万円に減る。この程度の規制緩和では、顧客はあまり来ないだろう。
銀座の飲食各店からも、規模に見合った協力金や家賃支援を求める声が上がっている。
新宿は、歌舞伎町、西新宿、新宿三丁目など、別々のエリアの集合体となっている。新宿にある大手企業の中には、会社の決まりとしてコロナ禍になってから歌舞伎町への出入りを禁じているところもある。
一方、新宿への来街者は、第2波が歌舞伎町のホストクラブから広がったとされることから、他の東京の繁華街と比べても減少している。新宿の店舗は全般に集客が悪い。
そうした事情もあってか、21年の緊急事態中、歌舞伎町では他の街と比べても、時短に応じなかった店舗が多かった。少なくとも1〜2割は開いていた模様。他の街では95%以上が時短に応じていた。
ビルの物件に関しては、仲介業者が入っているケースも多く、テナントは埋まっていなくても借り手はいるので、実態が分かりにくいという。
緊急事態時、時短要請に応じなくて夜間営業している店に集まって来るのは、感染を気にしない若者と、女性(年齢は問わない)で、皮肉にも店内はにぎわっていた。新宿にある企業は歌舞伎町を避けているので、男性サラリーマンはあまり来ないという。ガテン系の男性はパチンコ店に集まり、顧客の入りは悪くないようだ。
しかし、歌舞伎町でもインバウンドの顧客が来なくなった影響は大きく、外国人を狙っていたお店の撤退が進んでいる。
歌舞伎町に最も近かった家電量販店で、靖国通りの対面にあったヤマダ電機の旗艦店「LABI新宿東口店」は20年10月4日に閉店。同所では系列に入った大塚家具が、21年3月21日まで「展示品・在庫品 大処分市」を開催していた。インバウンドの顧客が来なくなって、一等立地の大型ビルが丸ごと空き店舗となってしまった。
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