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コロナ禍で転職理由に変化 「社内の雰囲気」や「人間関係」を抑え1位になったのは……個人の将来を重視

» 2021年03月22日 15時35分 公開
[ITmedia]

 転職サービス「doda(デューダ)」を運営するパーソルキャリア(東京都千代田区)は、2020年4月の緊急事態宣言前後に転職したビジネスパーソンを対象に転職理由の調査を実施。その結果を発表した。

転職理由は変わった?(画像はイメージ)

 緊急事態宣言前(20年1〜3月)の転職理由で最も多かったのは「社内の雰囲気が悪い」で12.5%。次いで「業界・会社の先行きが不安」(9.7%)、「給与が低い・昇給が見込めない」(8.7%)だった。

 1位の「社内の雰囲気が悪い」に加え、「人間関係が悪い/うまくいかない」(4位・5.9%)、「尊敬できる人がいない」(9位・3.8%)といった、人間関係にまつわるものが多くランクインした。また、「ハラスメントがあった(セクハラ・パワハラ・マタハラなど)」(4位・5.9%)、「個人の成果で評価されない」「雇用形態を変えたい」(同率7位・4.5%)など、働く環境に関する理由も目立った。

(出典:doda 「転職理由トップ10」

 これに対し、宣言後(20年4〜8月)の転職理由は「給与が低い・昇給が見込めない」が最も多く9.7%だった。また、2位に「スキルアップしたい」(8.0%)、7位に「他にやりたい仕事がある」(5.2%)がランクインし、緊急事態宣言前の人間関係や働く環境にまつわることから、将来を見据えた個人的な目標へと変化したことが分かる。

 同社はその背景として「コロナ禍で会社が業績不振に陥り給与が下がった、あるいは『このままこの会社にいてよいのか』といった不安が生じたことが考えられる」と指摘。3位には同率で「業界・会社の先行きが不安」「倒産/リストラ/契約期間の満了(会社都合での雇用終了)」(7.3%)が並んだことも、コロナの影響を反映していると分析する。

(出典:doda 「転職理由トップ10」

 一方、緊急事態宣言前の転職理由で1位だった「社内の雰囲気が悪い」は、圏外(12位・3.1%)となった。宣言前に4位だった「人間関係が悪い/うまくいかない」(5.9%)は6位に、9位だった「尊敬できる人がいない」は圏外(20位・1.4%)となり、人間関係や働く環境にまつわる理由は順位を落とした。その要因の1つとして、コロナ禍の影響でリモートワークが拡大し、会議や飲み会が削減されたことで、対面で生じる人間関係の悩みが減少したことが考えられる。

 さらに、コロナ禍という未曽有の事態に直面したことで、将来を見据えて理想の働き方を追求する機運が高まった結果、「他にやりたい仕事がある」(7位・5.2%)、「働く場所を変えたい(勤務先が遠すぎる・近すぎる/U・Iターンしたい)」「不規則な勤務をやめたい/土日祝休にしたい」(同率9位・4.2%)という転職理由も宣言前に比べてランクを上げた。

 調査は20年8月にインターネットで実施。20年1〜8月に転職した20歳〜59歳の正社員を対象に、最大の転職理由を1つ選択してもらいその結果を集計。有効回答数は578件だった。

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