日本人の半数が利用している無料通信アプリLINEの個人情報が、中国からアクセスされているとして大騒動になってから2週間ほどがたった。
LINEは日本国産のメッセージングアプリと喧伝(けんでん)していただけに、データに中国や韓国からアクセスできていた事実は、ユーザーへの裏切り行為だったと言える。実際、筆者も2020年11月に米大統領選の取材から帰国した後に、厚生労働省の「帰国者フォローアップ」のアカウントに登録した際、LINEは厚労省以外にデータにアクセスされることはないと説明されていた。また約900の自治体がLINEアカウントを作ってサービスを提供していたが、ある自治体の関係者は、サービス開始の際にLINE側から「全てのデータは日本国内で保存されている」と説明されたと憤っていた。
事実と反することを言っていたことになり、信頼回復にはまだまだ時間がかかるだろう。そんなことから、関係者らの間ではまだ混乱は続いている。
もっとも、一般ユーザーは、以前となんら変わらず利用している人たちがほとんどだろう。なぜなら、それほど生活に深く入り込んでいるアプリだからだ。日常に欠かせないツールとなっているために、今すぐに使えなくなったら混乱が起きるだろう。
要するに、LINEはもはや鉄道や電力、道路などと同じような重要インフラと同じようなものであり、いわゆる「プラットフォーム事業」だということが今回改めて確認された。だからこそ、運営社側にはさらにその自覚をもつことが求められる。
LINEは本当の意味で「日本国産」アプリになれるのだろうか。水面下の動きなどから、今後、どうなっていくのか考察してみたい。
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