クレジットマーケットへの介入はテーパリングへ向かうが、インフレ率が安定して2%を超える見通しが立たない現状では、政策金利は低位で安定する見通しだ。神山氏は、「複数のシナリオで議論をしたが、いずれのシナリオでも米政策金利は22年3月末まで0.25%が続くというものだった」と話す。
ワクチンへの期待の幅はさまざまだが、第4波が危惧される日本や第3波が深刻化するドイツなどを除けば、英米などではワクチンの接種も急速に進みつつある。また、家計に貯まったマネーが徐々に消費に向かいつつあるが、これは小売売上高の推移などからも確認できる。
神山氏は、「こうしたリスクが払拭されれば、日経平均3万3000円、ダウ工業株平均は3万7000ドルに向かっていく」とし、リスクはあるものの、堅調に経済回復が続くという見通しを示した。
- “株価と経済の乖離”は時代遅れ? コロナ以前まで回復してきている経済
2万8000円を超え連日バブル後最高値を更新する日経平均、過去最高値を更新し続ける米NYダウ平均株価など、株高が続いている。これに対して、「経済と乖離(かいり)した株高」と呼ぶ人もいるが、果たしてどうか。
- 日経平均30年5カ月ぶり高値、世界的にも株高続く
1月12日の日経平均株価は、前週末比25円31銭高の2万8164円34銭で引けた。およそ30年5カ月ぶりの高値となった。株高は日本だけではない。NYダウ平均株価は、11日こそわずかに下げたものの、前週末まで連日で過去最高値を更新。3万1000ドル近辺となっている。
- 2021年、再び来るか半導体ブーム リモートワークと巣ごもり需要が牽引
コロナ禍は生活だけでなく産業構造にもさまざまな変化をもたらしている。その1つが、自宅でのリモートワークやゲームなどのエンターテインメントの拡大にともなう、半導体需要の盛り上がりだ。
- 株価二番底はない? 今の株価がバブルではないワケ
「二番底は来ないのかとよく聞かれるが、今想定される範囲内では、大きく下がる理由はほとんどない」。日興アセットマネジメントの記者向けセミナーで、チーフストラテジストの神山直樹氏は、このように話した。
- コロナ・ショック後の経済成長と景気
コロナ・ショックは、失業者数などでみるとリーマン・ショックを超えるとみられるが、財政出動や金融支援、ロックダウン(都市封鎖)などの解除で短期間でいったん終息するとみている。そうなれば景気サイクルとみてよいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.