最後のリスクが、家計の貯蓄率だ。トランプ政権およびバイデン政権がコロナの緊急事態に対応した財政政策は、総額で5兆7000億ドルを超える。このお金は、いろいろなところに配られたが、消費者に直接配られたものが多い。
そうしたマネーはすぐに使われたわけではなく、いまだ銀行口座に眠ったままの状態だ。これにより、いわゆる貯蓄は急上昇。一部は株式投資などに向かい、特定銘柄を異様に押し上げたが、ほとんどは預金として積み上がっている。
エコノミストの多くは、経済の正常化に伴い、この貯蓄がだんだん使われていくことを計算に入れている。「手持ちのお金は使うという想定。来年は飛行機にも乗れるし、レストランにも行けるし、『夜何時まで』と言われなくなるということが織り込まれている」(神山氏)
実際に消費者は、間もなくコロナが収束していくことに自信を持ち、次第に消費を増やしつつある。米国の小売売上高の推移を見ると、すでにコロナ前を取り戻して上昇が続いている。雇用はまだ半分しか回復していないのに、モノは買われている。「戻る自信があるので消費をするというのが1つ。そして財政支給されたお金で消費する、さらにサービスには使わないがパソコンを買うといった状況」(神山氏)
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コロナ・ショック後の経済成長と景気Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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