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» 2021年04月27日 10時47分 公開

サービス産業の苦役に潜む、日本独自の体質とは?労働人口の半分以上が低賃金(1/3 ページ)

宿泊業や飲食業、卸売・小売業といったサービス産業は、GDPの約55%を占めている。労働力人口で見ても半数以上の人が従事する巨大市場だが、生産性は非常に低いとされている。サービス産業の生産性が上がらない要因、そしてその解決策は何なのか? 度重なる緊急事態宣言により苦戦を強いられるサービス産業が生き抜く術を、染谷氏に聞いた。

[西田めぐみ,ITmedia]

 宿泊業や飲食業、卸売・小売業といったサービス産業は、GDPの約55%を占めている。労働力人口で見ても半数以上の人が従事する巨大市場だが、生産性は非常に低いとされている。

 「『この仕事が好きだから、我慢します、頑張ります』という人に、甘えるべきではありません。サービス産業という仕事に付加価値を提供し、多様性のある人たちが入りたいと思えるような環境にしなければ、イノベーションは生まれず、結果、生産性も賃金も上がりにくいままでしょう」と話すのは、ナレッジ・マーチャントワークス(東京都中央区、以下KMW)代表取締役の染谷剛史氏。サービス産業の生産性を上げるために「DX化は必要不可欠」との考えから、シフトワーカーを含む従業員と情報共有、マネジメントができるスマホアプリ「はたLuck」を開発・提供している。

 サービス産業の生産性が上がらない要因、そしてその解決策は何なのか? 度重なる緊急事態宣言により苦戦を強いられるサービス産業が生き抜く術を、染谷氏に聞いた。

photo KMW代表取締役の染谷剛史氏。大手コンサルタント会社勤務時代は、アジアで組織変革に従事。その際、製造業の工場がアジアへ続々と進出する裏で、サービス産業へ流れる非正規雇用労働者の増加を再認識する。サービス産業の生産性を高めて労働環境を改善するため、KMWを設立した。取材はオンラインで実施

アナログで労働集約的なサービス産業

 サービス産業は、労働集約的であると昔から言われていた。「デジタルツールを駆使して効率化を図るよりも、自分の身体を使って業務を遂行する。サービス産業は、そのウェイトが大きい傾向にあります」と染谷氏は話す。誤解を恐れずに言うなら、アナログなやり方を守り続け、努力と根性で国の半分以上の生産量をカバーしている──これが日本におけるサービス産業の実態だ。

 しかし、世界的に見て日本の生産性は著しく低い。日本生産性本部(東京都千代田区)の調査によると、日本の時間当たりの労働生産性は47.9ドル(4866円)で、OECD加盟37カ国中21位。サービス産業だけで見ると、日米欧19カ国中15位となっている。時間も体力も使っているのに、生産性が上がらない。その背景には、日本独自のサービス産業体質がある。

photo 日本の生産性は世界的に見て低い(出所:日本生産性本部調査)
photo サービス産業の生産性水準はアメリカの半分以下(出所:日本生産性本部調査)
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