習い事の月謝といえば、毎月封筒に現金を入れて手渡しし、ハンコを押してもらう月謝袋を思い出す。しかし、コロナ禍の非接触ニーズ増大にともない、こうした会費の支払いもキャッシュレス化が急速に進展している。
メタップスペイメント(東京都港区)が提供する「会費ペイ」は、個人や中小事業者を中心に利用する加盟店が3000店を突破した。サービス開始から3年だが、年平均成長率は160%を超える。
「事務業務はこちらが引き取って、運営者が本当にやりたいところに注力してほしい」と、メタップスペイメント パッケージソリューション事業部の若松佑一部長は話す。
会費ペイは、スクールなどの加盟店に対して、あらかじめ登録した口座振替やクレジットカード決済を用いて、毎月の集金を自動化するSaaSのサービスだ。特徴は、入会申し込みから決済までをセットで提供している点にある。
習い事などの入会では、紙の入会申込書を書いて渡し、スクール側はそれを元に会員を管理する流れが普通だ。月謝袋ではなく銀行口座からの振替を使っているところでも、紙の振替依頼書に記入して印鑑を押してもらって手渡す必要がある。書く方も面倒だし、受け取る方もそれを再びPCに入力して……といった手間がかかる。
会費ペイでは、入会専用のQRコードを発行し、スマホから入会、支払い方法の設定まで完了する。「コーチがQRコードを提示して、ここから入会手続きしてね、と伝えれば、開いたページに入力したメールアドレスにURLが送られ、それを開くと入会フォームが表示される」と若松氏。コロナ禍において、紙を一切使わず、入会から決済までまとめて面倒をみてくれるのが特徴だ。
加盟店へのアンケートでは、導入して改善できた点として65%が「入会申し込みのWeb化」を挙げた。「ペーパーレスで運営することで事務所を撤廃し、少しでも会員さんが使える空間を広くしたいと思い、会費ペイを導入した」と、格闘技を始める方向けのフィットネスジムを運営するFight Box Fitnessの川尻さんはコメントを寄せている。
増え続けるSaaSをどう管理するか? メタップスが管理サービスを提供する狙い
2020年のキャッシュレス業界 けん引したのは結局クレカ
2021年のキャッシュレス業界 銀行の逆襲が始まるか
法人キャッシュレスで「働き方改革」 法人プリカ「Stapleカード」で何が変わるのか
ドコモ口座問題の本質 裏口ではなく表玄関の銀行APIを使えCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング