メタップスペイメントは、もともと複数の決済サービスを加盟店に提供する決済代行業者だ。加盟店と決済サービスの間に入って、加盟店が各種決済サービスと個別に契約することなく利用できるようにする役割を担っている。
ところがこのサービスは差別化が難しい。GMOペイメントゲートウェイやSBペイメントサービスのような大手が強くなる傾向にあり、自然と手数料率の引き下げ競争になる。「決済だけだと価値を感じていただけないので、決済の前後の商流に入って、付加価値を付けていこうと考えた」と若松氏は会費ペイの成り立ちを話す。
こうした背景から、会費ペイは初期費用も月額費用もゼロ。会費の決済にあたり、入金額の3.5%+100円をシステム利用料としているだけだ。
個別に決済サービスを利用しても、通常は口座振替でも100円程度の決済費用がかかる。経済産業省が示した「キャッシュレスビジョン」によると、クレジットカードの加盟店手数料の平均は3.24%だ。こうした決済コストに対して、わずかな追加コストで、会員管理や請求管理システムも使えることを加盟店は評価している。
今後は、さらに周辺領域の機能を組み込む考えだ。例えばインターネットから鍵の施錠・解錠を行えるフォトシンスが提供するスマートロック「Akerun」との連携は好評だ。例えばフィットネスを運営する加盟店がAkerunを使って、会員が自由に入室できるようにしておき、会費ペイで月額料金の支払いが確認できなかったら、自動的に鍵となる会員証を無効にできるようになる。その場で料金を支払えば、鍵が有効化され再び入室できる仕組みだ。
請求管理のデータを会計ソフトのfreeeと連携する機能も提供している。さらに、「Salesforceと連携したいという依頼もまれにきている」(若松氏)という。
小売りや飲食では浸透してきた日本のキャッシュレス。会費といったまだまだ現金が残る分野でも、業務サービスとの連携によって、キャッシュレスが急速に普及しつつある。
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