――「Kit Oisix」のメニューを充実させるため、レストランなど他社とのコラボレーションを積極的に展開していますが、今後も継続する方針ですか。
コロナ禍で外食する機会が減ってしまったので、当社が協力することで外食店の味をお客さまに届けたいと思いました。それでコラボする機会が多くなったのです。2019年と比較して、20年における他社とのコラボ件数は5割ほど増えています。例えば、「モスバーガー」のミートソースを生かしたボロネーゼパスタ、「大戸屋」の鶏と野菜の黒酢あん定食などで、このメニューは木曜日に販売して金曜日には売り切れるほど好評でした。
このほか自宅に居ながらレストラン体験を楽しめる「おうちレストラン」企画では、博多もつ鍋やまやの「博多もつ鍋&厳選野菜セット」や格之進の「3種のハンバーグ食べ比べセット」などを販売しました。年末年始に家にいる時間が多かったこともあり、「おせち」の注文も例年より動きが早く、年末年始商材は前年比で1.4倍ほど売れました。
第3四半期にはディズニーとの共同開発の家族で作る「Kit Oisix」の展開を開始し、「ミッキー&ミニー」「アナと雪の女王」「白雪姫」などをモチーフにした商品を発売して、子どものいる家庭に人気でした。今後もコラボ商品は無限の可能性があるので、増やしていきたいと考えています。
――松本取締役もミールキットを利用していますか。
私は野菜をよりたくさん食べたいと考えているのでヴィーガンのミールキット「Purple Carrot」を利用しています。米国で展開しているブランドですが、日本人の嗜好にも合うように商品を開発しています。外出機会の減少などから健康意識が高まり、「Purple Carrot」も需要が増加しています。ミールキットは13年からスタートして、多様な商品展開を通してノウハウが蓄積されてきていることが、浸透してきている理由だと思います。
――テレビCMなどはあまり展開していないようですが、どういう手法で消費者へのブランド訴求を図ってきましたか。
2年前に1カ月間テレビCMを展開しました。また今年の3、4月にも関西と地方でテレビCMを打ちました。コストパフォーマンスを検討して、効果があると考えられる地域でタイミングを見ながらCMを打ち、関西では予定していた目標を達成できました。
全体的にはインターネットやSNSによる宣伝活動が多く、この1年はテレビの情報番組などで当社のサービスが取り上げられる機会も増えました。SNSの「#KitOisix」で、お客さまの作った料理がアップされたり、インスタグラムに「この料理、私が作りました」と積極的に掲載されたりすることで、一般消費者の間にOisixブランドが広がっていったのではないでしょうか。
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