インタビュー
» 2021年04月29日 07時00分 公開

『ヤングジャンプ』編集者に聞く、スタートアップ漫画『スタンドUPスタート』ヒットの舞台裏ビジネス漫画のヒット術(1/5 ページ)

『週刊ヤングジャンプ』に連載中の『スタンドUPスタート』は、生きづらさを感じている人たちが「スタートアップ(を起業)しよう!」と主人公から誘われ、起業を通して自由な生き方を獲得していく漫画で、スタートアップをテーマにした点で注目を集めている。集英社の『週刊ヤングジャンプ』副編集長の春日井宏住氏と担当編集の塚本剛平氏などにヒットの舞台裏を聞いた。

[田中圭太郎,ITmedia]

 会社の「お荷物」になった50代、内定ゼロで就職活動に失敗した大学生、就職したことがない専業主婦……。『週刊ヤングジャンプ』に連載中の『スタンドUPスタート』は、生きづらさを感じている人たちが「スタートアップ(を起業)しよう!」と主人公から誘われ、起業を通して自由な生き方を獲得していく漫画で、スタートアップをテーマにした点で注目を集めている。

 グロービス経営大学院は『ヤングジャンプ』の編集者を招いたセミナー『ヤングジャンプに学ぶ「面白い」の創り方』を開催した。

 ITmedia ビジネスオンラインは、登壇者に取材を実施。集英社の『週刊ヤングジャンプ』副編集長の春日井宏住氏と担当編集の塚本剛平氏、ドローンを活用したソリューションを提供するDRONE PILOT AGENCY(東京都中央区)社長で、作品の監修を務めた上野豪氏、グロービス経営大学院経営研究科研究科長で、上場企業やベンチャー企業の社外取締役も務める田久保善彦氏に、「ビジネス漫画」である『スタンドUPスタート』制作の裏側を聞いた。

photo 『スタンドUPスタート』

リスクをとって作るビジネス漫画

――『ヤングジャンプ』は2019年に創刊40周年を迎えました。発行部数は約40万部で青年誌の中ではトップクラスです。連載作品では『キングダム』の単行本が7000万部、『ゴールデンカムイ』は1500万部、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』が1400万部と大ヒットしています。一方、『スタンドUPスタート』の他にも『少年のアビス』など新しい作品にも挑戦していますね。他誌のことはどのように見ていますか。

春日井: 雑誌の部数で言えば、『ビッグコミックオリジナル』さんに少し負けています。また、非常に面白いと思っているのは『ビッグコミックスペリオール』さんですね。あれだけの作家が1つの雑誌に集まっていて、作家の才能を拾い上げているのは、間に立っている編集者の方が非常に頑張っているのだと思います。『ヤングジャンプ』も『スペリオール』さんに負けないように、雑誌作りに取り組んでいきたいと考えています。

――今回取り上げる『スタンドUPスタート』はテレビドラマ化もされた『ドロ刑』の作者福田秀さんの作品で、起業やスタートアップをテーマにしています。ビジネス漫画の可能性については、どのように考えていますか。

春日井: ビジネスを扱った漫画は、かつてはたくさんありました。漫画が今よりも売れていた時代には、各誌に林立していましたね。ただ、現在の漫画市場は、一定の分野の作品が非常に売れる反面、それ以外の作品が結果を出しづらい状況になっています。

 ビジネス漫画は基本的に面白いのですが、そもそも描ける力を持った作家さんが非常に少ない状況があります。しかも、結果がなかなか出にくいジャンルであることも事実です。

 だからこそ、『スタンドUPスタート』作者の福田先生の力と、監修してくださった上野豪さんのような専門家の方の力を借りて、本物の作品を、リスクをとって作っていく必要があります。そのためには私たち編集者も、もっと多くの方々に作品を知っていただく努力をしなければならないと考えています。

photo 福田秀さん『ドロ刑』
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