『ヤングジャンプ』編集者に聞く、スタートアップ漫画『スタンドUPスタート』ヒットの舞台裏ビジネス漫画のヒット術(4/5 ページ)

» 2021年04月29日 07時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

Slackで打ち合わせ キャラクターを通して起業を伝える

――打ち合わせはどのように進めているのですか。

上野: 基本的にはSlackを使って福田先生や塚本さんとやりとりをしています。たまにZoomを使うこともあります。

――Slackを使っているのは、上野さんの提案ですか。

上野: スタートアップが使っているのはSlackが多いと紹介したら、福田先生に「使ってみたい」といわれて始めました。私は友人から聞いて面白かった話やネタになりそうな情報を、常々Slackで伝えています。ボールを投げっぱなしにしている感じですね。

塚本: このことをもっと知りたいと思った時に上野さんに聞くと、現場の最前線の情報を教えていただけるので、上野さんのネットワークのすごさを日々感じています。

上野: 私が全てに精通しているわけではありませんが、幸いにしてグロービスは卒業生6000人のネットワークがあります。ビジネスをしている人があらゆる業界にいますので、質問すると快く答えていただけますね。

――ビジネスや起業を漫画にするのは抽象的、説明的になりがちで、難しいのではないかと思います。どのような工夫をして読者に伝えているのでしょうか。

塚本: スタートアップのことを学習漫画のようにしっかり解説するのは、難しいかもしれません。『スタンドUPスタート』では、それぞれの問題を抱えたキャラクターがスタートアップをすることによって、前向きになっていく様子を描いています。先ほど田久保先生が「経営学は人間理解学」とおっしゃっていましたが、ちゃんと人間を描いているので、起業の仕組みを知らない普通の人にも、共感して楽しんでいただけていると思っています。

上野: 福田先生の構成力はすごいですね。引っ掛かるところがなく違和感なく読めますし、この少ないページ数にたくさんのネタを入れていて、すごいなと毎回うなっています。

photo それぞれの問題を抱えたキャラクターがスタートアップをすることによって、前向きになっていく様子が描かれる

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