コラム
» 2021年04月29日 08時30分 公開

1000店→150店に! なぜマクドナルドはウォルマートから“離れている”のか両社の関係が崩れ(2/4 ページ)

[藤井薫,ITmedia]

ウォルマート内に店舗を置く必要性

 マクドナルドにとって、ウォルマート内で営業するメリットは、客足の多さにある。それが、新型コロナによって、流れが急激に変わってしまった。多くの人がネット通販を利用したり、ストアの外でクルマに乗ったまま購入商品を受け取ることができる「カーブサイドピックアップ」と呼ばれるサービスを利用するようになったりしたことで、ウォルマート内に店舗を置く必要性を見出せなくなった。

 さらにウォルマート内のマクドナルドが、ドライブスルーを併設していなかったことで客を呼び込めず、ダメージが大きかったことも影響している。なぜなら、コロナ感染がピークだった昨年春には、米マクドナルド全体の売り上げの約90%がドライブスルーの利用から発生していたからだ。ドライブスルーが同社にとって重要なチャンネルとなっていたのだ。

 今回、うまくいっていた関係がコロナ禍で崩れたわけだが、もちろん、ウォルマートとマクドナルドの関係はずっと順調だったワケではない。パートナーシップを組んだ90年代から、これまでにもいくつか危機があった。

ウォルマートとマクドナルドの関係はどうなる?(出典:ゲッティイメージズ)

 その一つが、2000年代にトレンドとなったヘルシー嗜好(しこう)の流れだ。ファストフード業界でも、野菜をたっぷり使用し、低カロリーでヘルシーなサンドイッチが売りの「サブウェイ」が台頭してきたのがこの時期になる。

 それまで、ウォルマート内で営業するファストフード店はマクドナルドだけだったのが、2000年半ばころからサブウェイの店舗が急激に拡大していった。

 消費者の健康志向に対応するように、ウォルマートでもオーガニック食品などヘルシーな食品を取り扱うようになって、従業員の健康管理にも力を入れていた時期でもある。そのため、マクドナルドの新規店舗数を上回る勢いで、サブウェイの店舗が次々にウォルマート内にオープンしていった。

 ちなみに、ウォルマート内のファストフード店を利用しているのは買い物客だけではなく、およそ3分の1の売り上げは従業員によるものだという。こういった背景も少なからず影響していると思われる。

 当然、マクドナルドも健康志向のトレンドに対応するため、メニューの見直しを行うなど、ブランドのイメージアップを試みて危機を乗り越えてきた。しかし、今回の新型コロナによる影響は、同社に大きな決断を促したようだ。

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