そこで気になるのが、マクドナルドの店舗が撤退した後に、ウォルマートがその穴をどう埋めるかだ。ウォルマートにとって、定期的なテナント収入を失うのは大きな痛手だ。さらに、買い物客を引きつける別の手段を考えるのは、かなりの難題のはずだ。
しかし、そのような心配は無用のようだ。ウォルマートは次の戦略を進めているようだ。新たなビジネスモデルとして、テークアウトにフォーカスした店舗のテスト導入を始めている。いわゆる、テークアウトを専門とするビジネス形態の「ゴーストキッチン」である。
そのゴーストキッチンで提供されるのが、例えば、カスタマイズできるサラダ専門店の「Saladworks(サラダウォークス)」だ。テークアウトだけでなく、デリバリーも提供可能なため、より時代のニーズに合ったダイニングとして注目されている。
また、ウォルマートは最近、生鮮食品を取り扱うネットスーパーとオンラインストアを統合させるなどして、Eコマースに力を入れている。そして、実店舗やオンライン、デリバリーなどを連携させて、よりスムーズに顧客が自分にとって便利で最適な方法で商品を購入できるようにする「オムニチャンネル化」を進めている。
最新の決算報告によると、同社のEコマースの売上高は、前年比79%増と飛躍している。実店舗への客足が減っても、ネットでのトラフィックが増えているため、デジタルシフトはますます加速しそうだ。
その一方で、ウォルマートでの存在感が低くなるマクドナルドも新たなアプローチで事業を強化しようとしている。近年、マクドナルドは新規店舗の拡大よりも、既存店のリノベーションに力を入れているのだが、新型コロナをきっかけに、これまで以上にドライブスルーの強化を重視していくようだ。
ちなみに、マクドナルドは米国内にあるおよそ1万4000店舗の約95%にドライブスルーを併設している。コロナ禍でドライブスルーの重要性が再認識されていることもあり、その強みを最大限に生かしたいようだ。
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