クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

内燃機関から撤退? そんな説明でいいのかホンダ池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/8 ページ)

» 2021年05月03日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

質疑応答

Q ずいぶんと踏み込んだが方策はあるのか?

A 2050年カーボンニュートラルを達成するということは、すでにF1撤退の発表から決めていました。それを必ず達成するということを前提にしますと、クルマの保有を約10年と見ますと、40年には新車から出るCO2をゼロにしなくてはなりません。今手の内にある技術でそれを達成できるのは、EVもしくはFCVということになります。ですから今日はEVとFCVというような表現をさせていただきました。

 しかし、まだ20年ありますので、これからまた新しい技術ができれば、そういうものも加わると思いますが、今日の時点ではあまりボケないように、敢えて今手の内にあるEVとFCVという言い方をしております。2050年カーボンニュートラルという目標においては、先送りにして最後で辻褄(つじつま)を合わせることはできないので、政府提案の13年比で30年に46%削減という目標は極めて妥当な数字であると思います。非常に厳しい高い目標ではあるかとは思いますが、ホンダとしても全面的に支持するとともに、全力を挙げて達成に向けて取り組んでいきたいと思います。

 課題はないのか? と問われますと、当然あります。例えば原材料を含めたバッテリーの調達といった問題については、これだけでも相当ハードルが高いと考えています。中国や北米など地域地域ごとにいろいろな作戦が必要かと考えておりますので、鋭意進めているところです。技術進化ということも当然ありますので、全固体電池などの技術ができればいろいろなシナリオも変わってくると思います。課題はたくさんありますが、一番重要なのは、2050年にカーボンニュートラルを目指すんだということで、そこを目指すということで新たないろいろなシナリオなり技術ができてくると思っています。

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