Q ずいぶんと踏み込んだが方策はあるのか?
A 2050年カーボンニュートラルを達成するということは、すでにF1撤退の発表から決めていました。それを必ず達成するということを前提にしますと、クルマの保有を約10年と見ますと、40年には新車から出るCO2をゼロにしなくてはなりません。今手の内にある技術でそれを達成できるのは、EVもしくはFCVということになります。ですから今日はEVとFCVというような表現をさせていただきました。
しかし、まだ20年ありますので、これからまた新しい技術ができれば、そういうものも加わると思いますが、今日の時点ではあまりボケないように、敢えて今手の内にあるEVとFCVという言い方をしております。2050年カーボンニュートラルという目標においては、先送りにして最後で辻褄(つじつま)を合わせることはできないので、政府提案の13年比で30年に46%削減という目標は極めて妥当な数字であると思います。非常に厳しい高い目標ではあるかとは思いますが、ホンダとしても全面的に支持するとともに、全力を挙げて達成に向けて取り組んでいきたいと思います。
課題はないのか? と問われますと、当然あります。例えば原材料を含めたバッテリーの調達といった問題については、これだけでも相当ハードルが高いと考えています。中国や北米など地域地域ごとにいろいろな作戦が必要かと考えておりますので、鋭意進めているところです。技術進化ということも当然ありますので、全固体電池などの技術ができればいろいろなシナリオも変わってくると思います。課題はたくさんありますが、一番重要なのは、2050年にカーボンニュートラルを目指すんだということで、そこを目指すということで新たないろいろなシナリオなり技術ができてくると思っています。
バッテリーEV以外の選択肢
バッテリーEV(BEV)やプラグインハイブリッド(PHV)などの「リチャージ系」は、自宅に充電設備がないともの凄く使いにくい。だから内燃機関はしぶとく残るし、ハイブリッド(HV)も然りだ。ただし、カーボンニュートラルにも目を配る必要はある。だから、それらを補う別のエネルギーを開発しようという機運はずっと前から盛り上がっている。
ガソリン車禁止の真実(ファクト編)
年末の慌ただしい時期に、自動車業界を震撼(しんかん)させたのがこのガソリン車禁止のニュースだった。10月26日の菅義偉首相の所信表明演説と、12月11日の小泉進次郎環境大臣会見が基本になるだろう。カンタンにするために、所信表明演説を超訳する。
ガソリン車禁止の真実(考察編)
「ファクト編」では、政府発表では、そもそも官邸や省庁は一度も「ガソリン車禁止」とは言っていないことを検証した。公的な発表が何もない。にも関わらず、あたかも30年にガソリン車が禁止になるかのような話が、あれだけ世間を賑わしたのはなぜか? それは経産省と環境省の一部が、意図的な観測気球を飛ばし、不勉強なメディアとEVを崇拝するEVファンが、世界の潮流だなんだと都合の良いように言説を振りまいたからだ。
ホンダの決算から見る未来
ホンダの決算は、コロナ禍にあって、最終的な営業利益率のダウンが4.2%レベルで抑えられているので、酷いことにはなっていない。ただし、二輪事業の収益を保ちつつ、四輪事業の利益率を二輪並に引き上げていく必要がある。特に、武漢第3工場の稼働など、中国での生産設備の増強は続いており、中国マーケットへの傾倒をどうするかは課題だ。
日本のEVの未来を考える(前編)
EVの未来について、真面目に考える記事をそろそろ書くべきだと思う。今の浮ついた「内燃機関は終わりでEVしか生き残れない論」ではないし、「EVのことなんてまだまだ考える必要ない論」でもない。今何が足りないのか? そしてどうすれば日本でEVが普及できるのかという話だ。
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