4月23日、本田技研工業は新たに社長に就任した三部敏宏(みべ としひろ)氏が就任会見を開くと供に、ホンダの近未来計画を説明した。
ホンダは新目標を大きく2つに絞った。一つは「ホンダの二輪・四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」であり、もう一つは「全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラル」。そして何より素晴らしいのは、その年限を2050年と明確に定めたことだ。
新たにホンダの社長に就任した三部敏宏氏
2つの目標に向かって、今後のホンダがどうあるべきかについては、進化をリードする会社であり続けるために、「意志を持って動き出そうとしている世界中全ての人を支えるパワーとなる」という哲学を掲げた。長らくホンダが掲げてきた「Power of Dream」の進化形だと捉えることができる。
「ホンダの二輪・四輪車が関与する交通事故死者ゼロ」「全製品、企業活動を通じたカーボンニュートラル」
思えばF1の撤退も、オールホンダの経営資源をカーボンニュートラルの実現に重点投入するためと説明しており、自らが「モータースポーツはホンダのDNA」とまで言うホンダが20年10月にF1の撤退を決めたその覚悟からも、ホンダがカーボンフリーに賭ける真剣さが伝わってくる。
- バッテリーEV以外の選択肢
バッテリーEV(BEV)やプラグインハイブリッド(PHV)などの「リチャージ系」は、自宅に充電設備がないともの凄く使いにくい。だから内燃機関はしぶとく残るし、ハイブリッド(HV)も然りだ。ただし、カーボンニュートラルにも目を配る必要はある。だから、それらを補う別のエネルギーを開発しようという機運はずっと前から盛り上がっている。
- ガソリン車禁止の真実(ファクト編)
年末の慌ただしい時期に、自動車業界を震撼(しんかん)させたのがこのガソリン車禁止のニュースだった。10月26日の菅義偉首相の所信表明演説と、12月11日の小泉進次郎環境大臣会見が基本になるだろう。カンタンにするために、所信表明演説を超訳する。
- ガソリン車禁止の真実(考察編)
「ファクト編」では、政府発表では、そもそも官邸や省庁は一度も「ガソリン車禁止」とは言っていないことを検証した。公的な発表が何もない。にも関わらず、あたかも30年にガソリン車が禁止になるかのような話が、あれだけ世間を賑わしたのはなぜか? それは経産省と環境省の一部が、意図的な観測気球を飛ばし、不勉強なメディアとEVを崇拝するEVファンが、世界の潮流だなんだと都合の良いように言説を振りまいたからだ。
- ホンダの決算から見る未来
ホンダの決算は、コロナ禍にあって、最終的な営業利益率のダウンが4.2%レベルで抑えられているので、酷いことにはなっていない。ただし、二輪事業の収益を保ちつつ、四輪事業の利益率を二輪並に引き上げていく必要がある。特に、武漢第3工場の稼働など、中国での生産設備の増強は続いており、中国マーケットへの傾倒をどうするかは課題だ。
- 日本のEVの未来を考える(前編)
EVの未来について、真面目に考える記事をそろそろ書くべきだと思う。今の浮ついた「内燃機関は終わりでEVしか生き残れない論」ではないし、「EVのことなんてまだまだ考える必要ない論」でもない。今何が足りないのか? そしてどうすれば日本でEVが普及できるのかという話だ。
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