なぜ、全国で「ゴーヤ」呼びがここまで広まったのか。
琉球大学名誉教授でNPO沖縄語普及協議会顧問の宮良信詳さん(74)は「日本語の影響ではないか」とみる。
宮良さんによると、沖縄の言葉「ウチナーグチ」には語尾を伸ばす「音引き」があるが、日本語は和語や漢語で構成されており、「音引き」がないのだそう。
「ウチナーグチ」では、語尾を伸ばすか、そうでないかによって、普通名詞が人や物を表すことがある。
例えば、美貌を意味する「ちゅらかーぎ」という言葉。美人は「ちゅらかーぎー」となる。
「ゆんたく(おしゃべり)」は「ゆんたくー(おしゃべりな人)」となる。
物を表す言葉の多くの語尾が伸びている。「とーびーらー(ゴキブリ)」や「はーべーるー(チョウ)」、「シークヮーサー(ヒラミレモン)」などだ。「ゴーヤー」もこの例に当てはまる。
宮良さんは「そもそもウチナーグチや日本語は言葉の背景にある概念が違い、捉え方が違っていても仕方がないと思う。だが、言葉は精神世界を表すもの。言葉の継承という意味では正しく使ってほしい」と願う。
※今回、宮良さんは沖縄本島を中心に話されている「ゴーヤー」について解説しています。沖縄の中でも語尾を伸ばさない「ゴーヤ」呼びがあり、八重山地域ではにがうりのことを「ゴーヤ」と呼びます。
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