NTTドコモは5月12日、2020年度の決算を発表した。売上高は1.6%増加して4兆7252億円、営業利益は6.9%増加して9132億円となった。公表していた8800億円を超えての増益となった。
セグメント別では通信事業の売り上げが27億円減と微減となった。「(新料金プランの)ギガホ、ギガライトユーザーの拡大などにより通信収入は167億円の減となった」(井伊基之社長)。一方で、金融決済サービスの増加によりスマートライフ領域は839億円の増収となった。
3月26日にサービスを開始した低価格プラン「ahamo」は4月末時点で100万契約を突破した。事前に250万の申し込みがあったが、1カ月半でうち100万契約まで進んだかっこうだ。「既存のドコモ契約者からの移行のほうが多い。他社から戻ってくるお客さまも一定程度いる」(井伊氏)。21年度の目標数については、公表を控えた。
5Gについては309万契約まで拡大した。21年度は設備投資を5Gに集中し、1000万契約を目指す。
ahamoやギガプランの提供により、21年度の通信料収入は低下する見込みだ。結果営業利益は「111億円の減少にとどめた」ことで7100億円の計画としている。通信料は低下するものの、顧客基盤の拡大に貢献するとみる。「他社に流出していた顧客が食い止められる、戻ってくる。4月のMNPはプラスになっており、効いてきている」(井伊氏)
通信事業が厳しい競争にさらされるなか、井伊氏が「成長の要」というのが金融サービスなどのスマートライフ事業だ。21年度は、538億円の増収、106億円の増益を見込む。
1437万枚で増加したクレジットカード「dカード」は、取扱高が約1兆円増加し5兆2500億円に、コード決済のd払いは取扱高が倍増し、8100億円となった。d払いユーザー数は3523万人まで増えている。dポイントカードの会員数は17%増加し、5078万に達した。dポイントの利用額は年間で2493億ポイントに達している。
新たな取り組みとして、法人向けdアカウントである「ビジネスdアカウント」の発行を5月13日から開始する。また、三菱UFJ銀行と提携しdポイントが特典として付与されるデジタル口座サービスの提供も開始する。
「決済を起点とした顧客接点強化。そして新たな金融サービスを創出していく」(井伊氏)
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