オンラインツアーについて、HISはこのような目標を掲げている。「年内に体験者30万人、ツアーは2000コース」。このままのペースでいけば、実現可能のようにも感じるが、事業環境はどうなっているのだろうか。
サービスを始めたときには、リスクを恐れずにチャレンジしたので、いわば“ファーストペンギン”の存在だったわけだが、いまは違う。その後、「オレもオレも」「ワタシもワタシも」といった感じで参入が続いたので、市場はあっという間にレッドオーシャン(競争の激しい市場のこと)になってしまった。冒頭で紹介したように大手旅行会社だけでなく、例えば、凸版印刷のグループ会社が手掛けるなど、このビジネスは参入障壁が低い。
海外に目を向けても、ケタ違いのメガ企業が市場制圧に向けて動き始めている。例えば、アマゾン。バーチャルツアーを体験できる「アマゾン・エクスプローラー(Amazon Explore)」を立ち上げたほか、エアビーアンドビーやトリップアドバイザーなども参入している。
さらに、トラベルズー・ジャパンはオンラインツアーを検索できる「ONTABI(オンタビ)」を始めたので、サービス提供者側にとっては「その中から選ばれるようなモノを用意しなければいけなくなった」のだ。
なにもないところから芽が出て、まだ1年しか経っていないのに――。今後、大きく育てるために、各社は何をしなければいけないのか。利用者を飽きさせないために、コンテンツをつくる“旅”を続けなければいけない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング