エンジンの始動や加速時にアシストするマイルドハイブリッドを別にすれば、ハイブリッドの駆動方式は3種類に大別される。エンジンとモーターの両方を組み合わせて(状況によっては切り替えて)走行するパラレルハイブリッドと、エンジンは発電に専念するシリーズハイブリッド、状況によってパラレルとシリーズを使い分けるシリーズ・パラレルハイブリッド(トヨタはストロングハイブリッドと呼ぶ)の3種類だ。
それぞれにメリットはあるが、この先、日本で主流にすべきはシリーズハイブリッドだと断言できる。トヨタのTHSは素晴らしいシステムだが、制御が複雑でノウハウの塊ともいえるだけに、トヨタ1社でスケールメリットがあるからビジネスモデルが成り立つ(といってもトヨタも利益を出すまでは相当な年月が掛かっているが)ものだ。
日産はEVのリーフの他に、エンジンで発電してモーターで走行するシリーズハイブリッドの「e-Power」というパワートレーンを有している。16年にマイナーチェンジしたコンパクトカーのノートに登載するや、ホンダやトヨタのコンパクトカーやハイブリッドを抑え、30年ぶりに国内の月間販売台数で首位に立つ大ヒット作となった実績がある。
現在のノートはこのe-Power専用モデルとなっており、初代ほどの爆発的な売れ行きは見せてはいない(実質的な価格が上昇してしまったことも大きい)が、人気モデルであることは間違いない。燃料を給油すれば走り続けられる電動車として、日本市場に受け入れられている。
シリーズハイブリッドとほぼ同様の構造として、EVに発電機を載せて航続距離を伸ばすレンジエクステンダーEVも選択肢としてないわけではないが、バッテリーをたくさん積んで、小さな発電機を利用する機会を減らすより、バッテリーの搭載量を最小限にして、発電力のあるエンジンを搭載した方が、電動車が大幅に増えた世界ではバッテリーの調達や充電環境のリスクを考えれば現実的だ。
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